ダイオキシンが降った街
蓮見けい
岩崎書店フォア文庫
フォア文庫とは岩崎書店、金の星社、童心社、理論社が共通で出版している少年少女向け新書のようだ。
スイス国境近くの北イタリア、ミラノから20キロのセベソ市の化学工場が爆発、合成しているTCP(トリクロロフェノール)に含まれる猛毒ダイオキシン(ポリ塩化ジベンゾダイオキシン)が住宅街に降り注いだ、セベソ事故を小説化したもの。
実際に酷い話なので、変に少年少女に活躍させない方が良かったような気がする。
酷い匂いの白い結晶が降積もり、一晩で融け油膜になる。気にしないで家庭菜園の野菜果物を食べる人、それをエサにした家畜を食べる人。何も出来ない市長。で小鳥から家畜が死んでいく。「父さん、小さい生きものから順に死んでいく。この次は、だれの番だと思う?」結局人間は死なない、ダイオキシンは人類史上最悪の毒物というほどではなかった。とは言え、セベソ市には野球場ほどの大きな穴を開けその中に全部埋めるところだと。図書館から