秋葉原耳かき小町殺人事件
吉村達也
ワニブックス
副題が「私たちは「異常者」を裁けるか」
裁判員裁判で最初に求刑が死刑だったこともあり、注目された事件について書かれた本なので、予約者多数に先んじて二番目に図書館から借りられた。
耳かき小町とはうまいネーミングだと感心したら、著者ではなく耳かき店の命名だった。
はじめに裁判員についてちょっとは書かれているが、本文は被害者の耳かき嬢のブログと裁判での加害者と同僚の耳かき嬢の証言だけ。どうもこの著者、耳かき店以外に取材を行っていないようだ。そのためか加害者のことはほとんど分からない、本名と実年齢と耳かき店で名乗っていた名前と年齢と勤め先だけ。いったいどこからの金(三ヶ月で百万円超)で遊んでいたのか、家族はいるのか、普段の言動は(同僚の耳かき嬢の証言では困った人と)?
だいたい絵文字を使いたいのなら、横書きで印刷しろ!

私が思うに、裁判員は死刑宣告にビビって、上級審に預けたつもりだったが、検事が上告せず無期決定。裁判員制度を宣伝したいと言うことなのだろうと。耳かき嬢はともかく、完全に巻き込まれたおばあさん、おかげで家から出えられなくなったおかあさんのことを考えれば、現行法上死刑もやむをえないと思うが。