カルト資本主義
斎藤貴男
文春文庫
「先進国では、社会が閉塞即状態に陥ると、終末思想やオカルティズムが流行しがちである。ただ、欧米と異なる会社主義社会であるわが国では、その流行の顕れ方も日本的な特殊性を帯びるのではないか」と取材すると「ニューエイジムーブメントあるいは「新霊性運動」と呼ばれる世界的な潮流の地域的現象」「欧米とは違ってわが国の歴史風土はそうした潮流とは実に相性がよく、結果、新たな”価値”の体系が発生した」これをカルト資本主義と仮に名付けた。
その特徴として(1)オカルト的な神秘主義を基本的な価値観とする(2)西洋近代文明を否定する態度を示し、そのアンチテーゼとしてのエコロジーを主張する(3)個人を軽視し、全体の調和を重視する(4)情緒的・感覚的であり、論理的・合理的でない。など11があげられている。
取材先はソニーのエスパー研究室、永久機関、稲盛会長率いる「盛和塾」、科学技術庁「気」の研究会、EM、船井幸雄、ヤマギシ会、アムウェイ。
200年出版だからもう無くなったもの、流行っていないものも多いが、得度後の稲盛会長などはJALの会長として出てきた。図書館から