裁判員時代にみる狭山事件
菅野良司
現代人文社
狭山事件についての本は久しぶり、はっきり言ってまだ再審無罪になってない方が驚き。証拠自供のデタラメさ加減は散々読んだことで驚かないが、吉展ちゃん事件の小原被告が全面自供し深く反省の態度を示したのに一審、控訴審でも死刑判決に対して狭山事件の石川被告は全面否認、当然反省するわけも無いのに一審の死刑判決が控訴審で無期懲役と減刑されたのは、裁判所も検察の無理に気が付いていたのではないかとの視点は鋭い。
証拠の脅迫状の文字が一部ぼやけているのが以前から気になっていたが、指紋検出のためニンヒドリンのアセトン溶液に浸したためだそうだ。でアセトンに溶けた「様」はボールペン、溶けなかった「少字」は万年筆で書かれたことになる。図書館から