サンカの真実 三角寛の虚構
筒井功
文春新書
サンカの研究者で小説家の三角寛の著作はほとんどが虚構だと主張するためだけの本。
肝心の証拠写真をコート紙に印刷して口絵にでもしなければ判別できるわけもないだろうに、普通の新書の紙に小さく載せている。
著者もかなり変で、鷹野弥三郎「山※の生活」のセブリのスケッチを「これほど具体的に示した資料は、ほかにはない」と書きながら数ページ後には「「きちんと観察していなかったのではないか。この絵は現場で描いたのではなく、あとから記憶を頼りに完成させたようにも思える」って。
また緑内障で失明した松島始氏が、ガンで入院したのを見舞って焼酎を差しいれ喜んで笑顔で飲んだというのに「光を失った悲しみを一杯のアルコールで慰めることができる不思議な感性」って、いったいなに。    
大体「箕」の説明くらいしたらどうなんだろう。
図書館から                ※:窩