東京散歩 昭和幻想
小林信彦
光文社知恵の森文庫
なんと「日本人は笑わない」の再編集。題名にだまされて図書館から借りてしまった。一応立ち読みして読んだことのある内容が多いなとは思ったのだが、結構同じ事をまた書くことの多い人だからと油断していた。
美空ひばりのことを書いた「1953年の少女歌手-もう一つの美空ひばり像」が一番の読みどころか。「柔」でレコード大賞が二十八歳「悲しい酒」が二十九歳「真赤な太陽」で三十歳だったのだ。あと五十二歳まで懐メロ歌手だったわけか。ニッポン放送でのリクエスト10曲に対して「ひばりが選んだ10曲」が載せられている。「無法松の一生」「二人の瞳」「星の流れに」「月の夜汽車」「くちなしの花」「一本の鉛筆」「ロカビリー剣法」「ひよどり草紙」「怒涛の男」「月下美人」、聞いたことがあるのは「一本の鉛筆」だけ。