鳴虎・報恩寺
京都の鳴虎こと報恩寺へお参りして来ました。

報恩寺は、通常は非公開のお寺ですが、今年の京の冬の旅で特別公開された事もあり、行かれた方も多いかも知れないですね。

鳴虎と呼ばれるのは、虎の掛け軸を豊臣秀吉が欲しがり無理に持ち帰って聚楽第に飾りますが、夜になると掛け軸の虎が鳴いて帰りたがるので、仕方なくお寺に返したと言う伝説から鳴虎と呼ばれています。


さて、この報恩寺には鳴虎以外にも撞かずの鐘の伝説があります。

むかし、近くの織屋さんに丁稚と織り娘さんがいて、二人は仲が悪く言い争いばかりしてました。

ある時に、報恩寺の鐘が幾つ鳴るかで言い争いになり、丁稚は「8つ」織り娘は「9つ」と言い、負けた方が言う事を聞くとなりました。

丁稚はずる賢く鐘を撞く寺男に鐘を8つ撞いたら止めてくれと頼みました。

そして、鐘の数を確認する時に、丁稚が頼んだので8つしか撞かれなくて、丁稚の勝ちとなりました。

丁稚は、ここぞとばかりに酷い言葉で織り娘を罵倒して辱しめました。

織り娘は、9つ撞くはずなのにどうして?と悲しくなり、鐘で首を吊って亡くなりました。

その後、鐘を撞くと娘の怨霊が祟りをすると噂され、鐘は撞かれなくなり、撞かずの鐘となりました。

本来の鐘は平安時代の重要文化財となる貴重な鐘で、大晦日には撞かれるそうです。