あの女
最近の私が読んでいるのがMF文庫ダ・ヴィンチから出ている「怪談実話系」のシリーズである。

これは実話系の書き下ろし怪談文芸競作集で、いろいろな作家さん達が怪談を書き下ろしているシリーズである。

特に、この3巻では、以前に行われた怪談専門誌「幽」の「怪談ノ宴」と言うイベントで集まった女性作家さんやスタッフが打ち上げの慰労会で某ホテルに行ったところ、実際に怪異が起こってしまった顛末を、それぞれ係わった作家さんたち(立原透耶・加門七海・伊藤三巳華・宇佐美まこと)が、それぞれの視点から出来事を書き下ろしてるのが面白い。

また、岩井志麻子さんが、このシリーズで連作している、自らが係わってしまったある女性との出来事を、実際の出来事なので名前や設定を変えて、女芸人から聞いた話やタレントや作家から聞いた話として変更して書いてあるが、実際は「実はこれ、すべて一人の女の話です」とのことで、これを一冊にまとめて文庫化された「あの女」も興味深く読んでしまった。

この「あの女」は、昨年に騒動になったオセロの中島さんに憑いた女性占い師に似ていることから同一人物ではと話題になってしまったそうである(岩井さん曰く別人です)。

お化けも怖いけれど、実際の危ない人間もかなり怖いと言うか、私は係わりたくないと言う気持ちだよ。

読んでみるとなかなか面白いのでお勧めです。