魔王石
この連休は京都の東福寺へ行って来た。

京都の東福寺は紅葉の名所として知られているが、広い敷地に多くの塔頭を持つ寺院である、初夏の青紅葉もなかなか良い感じである。


さて境内にある国宝の三門のそばに、神社があり鳥居が並んで高台へと続いている。

そこは東福寺の鎮守社にあたる「五社成就宮」であり、石清水・賀茂・稲荷・春日・日吉の5社の神を祀っている社だそうだ。

その社の少し手前で横に逸れる広場があり、そこには十三重の石塔(重要文化財)が建てられており、その横には「魔王石」と書かれた小さな祠がある。

祠の中には、なにやら彫られていりいるらしい石が祀られており、これが魔王石と呼ばれる石らしい。

魔王石と言う名前がなにやら不思議で妖しい物を感じる。

十三重の石塔は東福寺の創建を祈願して建てられたと伝えられているが、かなり古いものらしい。

この石塔の正式名称は「比良山明神塔」だそうで、比良山の「魔王」(天狗)を祀ったものであると言う。

東福寺を建立したのは九条道家だそうで、それに着手する前に、病に伏せっていた道家の家来の女房に「藤原の祖先」を名乗る「比良山の魔王」が憑依して、道家に祟っている怨霊の鎮め方を教え、これにより道家の病が完治し、道家が東福寺建立の決心をした時に比良明神のお告げで十三重石塔を建立したと伝えていると言う。

さて、魔王石であるが、この石に「鞍馬山の魔王」が降臨したと言われており、魔神陀仏と呼ばれて霊神を鎮在する石仏なのだそうだ。

なかなかに興味深いが立て札も説明もないので知らない人は何だろうとおもうだろうね、何でも厄除けを祈願すると御利益があるらしい。