沙門空海唐の国にて鬼と宴す
夢枕獏さんの「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を読了した。

これは、遣唐使として唐の国に留学中の若き日の空海を主人公にした歴史伝奇ファンタジー小説である。

遣唐使として、唐の国の長安に暮らす事になった空海と橘逸勢は、化け猫騒動や畑の土の中から聞こえる声などの不思議な出来事に巻き込まれてしまう。

それらの出来事は、やがて唐王朝の皇帝にかけられた呪であることが判っていく。

そして、それらの出来事や呪のルーツには、数十年前の玄宗皇帝の時代の玄宗皇帝と楊貴妃との物語りに繋がって行くことが判明していく。

空海と逸勢は、過去の謎を追い求めて事件の解決を目指していく。


超然とした空海とワトソン役の逸勢とのコンビが良い味をだしていて、文庫本で4冊にもなるボリュームにもかかわらず、面白いので苦にもならずに読み進めていける。

読んだ後も「面白かったなぁ」と爽快感が残る小説であった。