金木犀
金木犀には、少し哀しい思い出があって、10年前に私が失意の底にいるときに、ネットのホームページで同じように悲しい出来事で心を病んでしまった女性と知り合って、二人で夜中のチャットで話し合って心の悲しみを別け合っていた。

それが、ちょうど今のように金木犀の香る時期で、その女性の家にも金木犀が咲くと言うので、私はその女性を「金木犀の君」と呼んで励ましていたのである。

しかし、それでも失恋が与えた心の痛手は深かったのか、その金木犀の君は病気になり病院に通うようになってしまっていった。

「いつか元気になったら、名前を変えて新しい私でお話しに来ますね」

そう話されたのが最後で、その後は入院されたのか二度と連絡できなくなってしまった。

それから、金木犀を見るたびにその女性を思い出して、何とか元気になってられますようにと祈ってしまう。

ほんとうに立ち直って幸せになっててほしいな。

私がずっと「しらゆき」のHNを変えずにいるつもりだよ。