鎮魂の仏像
先日からの報道で、京都の清水寺で東日本大震災の津波で倒れた陸前高田の景勝地の高田松原の松を使って作られた大日如来坐像が祀られていると聞いて、どうしてもお参りしたくなって行ってきたよ。

これは、清水寺が塔頭の真福寺の本尊で現在は清水寺宝蔵殿に移されている大日如来坐像(重要文化財)を、陸前高田の津波で倒れた松を使って複製品制作するように京都伝統工芸大学校に依頼し、昨年8月に作業を始めた学生らは、「大勢の人に鎮魂と復興への祈りを込めてほしい」と、東日本大震災や阪神大震災の被災地などを巡回してノミを入れてもらい、昨秋来日したブータンの国王夫妻も加わるなどして、1万1113人もの人が鎮魂のノミを入れたと言う。

そして、5月1日に清水寺本堂に納められ、開眼法要が営まれたのだった。

その大日如来坐像は高さ2・7メートルの寄せ木造りの像は漆塗りで、金箔(きんぱく)が貼られている。

今は清水寺の本堂にお祀りされているが、やがて真福寺に本尊として安置する予定だそうだ。

清水寺の本堂にお祀りされている大日如来坐像は金箔の姿であるが落ち着いた雰囲気の静かな仏像で、多くの人の思いを受け止めて穏やかに鎮魂の祈りを願われているように感じる。

大震災の松については昨年の震災後に京都と陸前高田でいろいろと出来事もあったが、こういう形でお互いの鎮魂の思いが通じて行く事になれば良いなぁと思うよ。

帰りに、京阪電車の駅に行くのに四条通の多数の犠牲者が出た例の事故現場を通ったけれど、やはり気が重くなってしまうね。

現場は片付けられてて知らないと通り過ぎそうであるが、電柱の側に花が手向けられているのが事件の事を思わされて、手を合わせて祈らずにおられなかったよ。