お盆の話
今年のお盆は震災の事もあって各地でいろいろと行われたようだ。

お盆の始まりについて次のような話がある。

お釈迦様の弟子に目連尊者と言う人物がいて、法力も優れた人であった。

その目連にはすでに他界した母親がいたが、目連は母親がどうしてるのか気になって法力を使って冥界を覗いてみた。

すると母親は生前の行いが良くなかったのか餓鬼界と言う飢餓に苦しむ餓鬼の世界にいたのである。

それで目連は母親を哀れに思い、水や食べ物を送ろうとしたが、途中で火となって燃えてしまい届ける事が出来ない。

困った目連はお釈迦様に相談してみたのだった。

するとお釈迦様は「自分の母親だけを救おうとするのではなくて、餓鬼界のすべての者を救おうとすれば母親も救われるだろう」そうおっしゃいました。

そこで目連は多くの修行僧を集めて餓鬼界のすべての者達のために供養の法要を行った。

こうして母親もふくめて餓鬼界にいるすべての者が救われたという。

これが施餓鬼会、つまり盂蘭盆会となり中国経由で日本にも伝わった。

そして祖霊が人々のところに帰ってくるとする民間の信仰と結びついて、お盆の行事となって行ったと言う。

各地での祖霊をお迎えし、お送りするお盆も大切であるが、そう言ったお盆の元々の意味も忘れずにいたいと思う。