鳰の浮巣
京都の和菓子の老舗(天保二年創業)の長久堂の「鳰の浮巣」(におのうきす)を食べたよ。

鳰(にお)と言うのは琵琶湖などに棲む水鳥でカイツブリの古名であり、琵琶湖はこの鳰が多く棲む事から「鳰の海」と呼ばれていたこともある。

この水鳥が折枝や葦、水草などで水上に巣を創るのを「鳰の浮巣」と言うのだそうだ。

その鳰の夫婦が風波に揺れながらも巣でひな鳥を巣立たせる様子をイメージして創られたのが「鳰の浮巣」と言う和菓子である。

和菓子と言うか葛湯なんだけど、お椀に入れて熱湯を注ぎ、かき混ぜると二匹の夫婦の鳰が浮かび上がってくると趣向である。

「葛」と「こし餡」と「抹茶」の三種類の味があって、ほんのりした甘味が優しい口当たりで美味しいよ。

浮かぶ鳰が可愛くて良いですな。

縁起が良いと言う事で、婚礼や出産の内祝いにもご利用される事も多いそうだ。

これから寒くなると、こう言う暖まる甘味もほんわかしますね。