小暮写眞館
宮部みゆきさんの「小暮写眞館」を読了した。

宮部さんと言えば犯罪物とかサスペンンス、それにSFやファンタジーに時代物まで幅広いジャンルの作品を書いてられて、しかも外れなしと言うかどの作品も面白くて私も大ファンである。

今回の小暮写眞館はホラーや犯罪ではなく、小暮写眞館と言う空き家に越してきた花菱家を中心とした物語である。

花菱英一は父の秀夫、母の京子、それに弟の光の四人家族で暮らす高校生で、寂れた商店街にある小暮写眞館の土地を建物付きで買って、普通なら老朽化した建物は壊して立て替える所を、父がこのまま住もうと決めたので、そのままの写眞館に住む事になった。

そのために、写眞館を続けてると思われたりし誤解を受けることもあり、ある日に見知らぬ女子高生から、フリーマーケットで買ったルーズリーフの中に、前にこの写眞館で焼いたと思われる写真がまぎれており、しかも写真には変なものが写ってるとクレームを受けて、英一は調べて持ち主に返すはめになってしまった。

しかも、小暮写眞館には亡くなった小暮写眞館の主だった老人の霊が出るとの噂まであったのである。

こうして、花菱英一こと花ちゃんは高校生活とともに、写真にまつわる出来事に巻き込まれてしまうのであった。



この作品は一応は不思議な写真にまつわる出来事を調べる事になってしまう英一を中心に、様々な人たちとの出会いや思いに関わっていく物語で、特に犯罪やサスペンスと言うわけではないが、面白くてどんどん読み進めてしまった。

また宮部さんの作品らしく、登場人物がみんな優しくて心が温まる物語である。

何かのインタビューで、宮部さんはこれまでの作品で登場人物や周囲の人を不幸にしたり亡くなったりした物語を書いたので、そういうのではない日常の物語を書きたかったそうである、その辺りが宮部さんの優しさで、どの作品も優しさを感じてしまうのだろうなぁ。

700ページを越えるボリュームのある作品であったが、面白くてどんどん読んで行き、そして切ない物語であった。

やはり宮部みゆきさんは良いよなぁ。