鐘馗さん
京都の西陣とかの町を散策していると家の屋根に小さな置物が置かれているのを目にすることがある。

鐘馗さんの置物である。

鐘馗さんは、昔の中国の唐の時代に玄宗皇帝が病に倒れた時に、夢の中に寵妃である楊貴妃の宝物を鬼が盗もうとしたおりに、そこに鐘馗さんが出てきて鬼を退治したという故事があり、疫病や魔を退治すると言われている。

その鐘馗さんの置物が、なぜ京都の民家の上に置かれているかと言うとこういう話しがある。

むかし、ある薬屋さんが家を新築し家の上にりっぱな鬼瓦をつけたところ、その向いの家で娘さんが夢の中で鬼にうなされて病人になってしまった。

娘さんの病気の原因を占うと、向いの薬屋の家に付けられた鬼瓦が強すぎて病人が出たと言われた。

それで薬屋に事情を話して鬼瓦を外してくれるように言ったが、それほど協力な鬼瓦なら、それだけ力を持っており魔除けになるので外さないと断られた。

どうするかと考えた結果、昔の中国の故事にちなんで、鬼を退治する鐘馗さんを付ければ良いのではないかとなり、鬼瓦に対抗して鐘馗さんを置いたところ、娘さんの病気は治ったそうである。

そこから鬼瓦に対抗する意味と疫病や邪気を祓う魔除けとして鐘馗さんを置くようになったそうだ。

その鐘馗さんも見て歩くといろいろな種類があって、面白いのを見つけると楽しいね。