エンザサンザ
京都の近鉄の竹田駅の近くにはエンザサンザと言われる風習があります、エンザサンザは延座参座の字を当てるそうです。

駅の線路沿いの用水路のような場所に竹を立てて注連縄を張ったのが、南西の鬼門を護ると言われている裏・延座参座です。

そこから少し離れて小学校の正門前の二本の楠に注連縄を張ったのが、北東の鬼門を護ると言われている表・延座参座だそうです。

これは「道切り」とも言われる風習で道からやってくる悪霊や疫病などの災いから村を護るための結界のような意味があるそうです。

また、注連縄の中央には絵馬のような木札が下げられていて、なにやら文字と五芒星も描かれており、また絵馬を守護するかのように十三神将の名前の付いた木札も付けられています。

何でも、過去にはこの付近に48個ものエンザサンザが祀られていたという話もあり、どうしてそんなに多くの道切りが必要だったのか考えたときに鳥羽上皇の名前が出てきました。

表・延座参座が作られている小学校前ですが、この小学校が出来る前は鳥羽上皇が勧進したと言われる「山王権現大宮社」と言う神社があったそうです。

また、この付近には「鳥羽」の地名も残っていますし、鳥羽離宮も近くです。

注連縄や絵馬は安楽寿院と言うお寺で作られるのだそうですが、その安楽寿院の周囲には「鳥羽天皇安楽寿院陵」をはじめ「近衛天皇安楽寿院陵」や「白河天皇成菩提院陵」などの陵墓がある土地でもあるのです。

こうなると、鳥羽上皇や近衛天皇に所縁のある御霊と言えば、あの「崇徳天皇」を思い浮かべてしまう私です。

ちなみに、崇徳天皇は鳥羽天皇の長男でありながらも鳥羽天皇からうとまれ、不遇の目にあい、やがて保元の乱に敗れて讃岐へ流され、深い怨みを抱いて怨霊となり祟りをなしたと言われています。

その祟りを鎮めるために、京都の白峯神宮などに祀られています。