真・祈りの巫女19
 母さまに明日のことやリョウのことをいろいろ話して、オミの話をたくさん聞いていたら、時間は瞬く間に過ぎていった。もちろん夕食は宿舎で食べることにしていたけれど、それよりもずっと早く母さまは夕食の用意を始めたの。リョウとの待ち合わせにはまだ時間があったから、あたしも母さまの食事の支度をお手伝いした。そうして夕ご飯が作り終わる頃、父さまとオミが連れ立って帰ってきたの。
 あたし、まさか今日父さまに会えると思ってなかったから、すごく嬉しかった。父さまもあたしがいて驚いたみたい。お互いちょっとびっくりしたように顔を見合わせて、やがてどちらともなく笑顔になっていった。
「お帰りなさい、父さま」
「ユーナ……。今日はどうしたんだ? 泊まりにきたのか?」
「ううん、違うの。でも明日泊まりにくるから、そのことを母さまに話にきて話し込んじゃったの」
「ユーナったらね、明日リョウを連れてきたいのですって。いよいよリョウとの結婚のお話を進めるみたいよ」
「なに? ユーナとうとうリョウと結婚するのか?」
 父さまが返事をするよりも早く、うしろにいたオミが声を出していた。あたしはオミに視線を移して、ちょっと驚いた。ついこの間会ったばかりなのに、オミはなんだか背が伸びたみたい。いつの間にかあたしを追い越して、それだけじゃなくて少し大人っぽくなった気がするよ。
「オミ、背、伸びた?」
「……さあ、どうかな。自分じゃあんまり判らないけど、たぶん少しは伸びただろ?」
「その仕事着もだんだん窮屈になってきたわね。そろそろ少し大きめのサイズで新しく作ってもらいましょう」
 母さまはそう言ってオミを食卓に促したから、あたしも自分の席に腰掛けた。母さまは父さまとオミの食卓に食前酒を用意して、あたしにも訊いてくれる。あたしはこれから宿舎に帰らなければならなかったから断ったけど……。
 オミったら、いつの間にか父さまと一緒にお酒まで飲むようになってる。オミはあたしよりも3歳も年下なのに、あたしよりずっと大人になってしまったみたいだった。