あとがき・1
 毎日連載小説「蜘蛛の旋律」を最後までお読みくださいまして、ありがとうございました。
 5ヶ月以上もの間読みつづけてくださった皆様に、深く御礼申し上げます。
 つたない文章で、誤字脱字、わかりづらい表現等、多々あったと思います。
 この場でまとめてお詫び申し上げます。


 さて、今日から数回に渡って、あとがきを掲載していこうと思います。

 この「蜘蛛の旋律」は、今から10年くらい前に書き始めて途中のまま止まっていたものを、オープニング以外のストーリーをがらりと変更して書き直したものです。
 この頃書いた小説で多いのですが、いわゆる「企画倒れ」というもので、おおよそのストーリー以外決めないで書き始めるので、どうしても途中で行き詰まってしまいまして。
 作中の巳神信市がシーラの話を完成させられなかったのと同じで、要するにそのときの実力以上の小説を書こうとしていたんです。
 でも、オープニングだけは妙にしっかり書いてあったので、14話の頭くらいまでは10年前の文章をほとんど直さないでそのまま使ってたりするんですね。
(10年前と今とでそれほど文章が上達していないのがバレバレですね)

 書き始めたきっかけというのは、私の小説のほぼすべてがそうなのですが、私自身の「願望」でして。
 「もしも私が生死を彷徨う目にあったら、誰かに命がけで助けてもらいたい!」というものだったんですね。
(↑思いっきり利己的ですが、まあ、人間の願望なんてこんなものでしょう)
 書いているうちにだんだんキャラクター自身も利己的な行動を取り始めたので、最初の願望とはかなり趣旨がずれてしまいました。
 でも、うちのキャラはみんな無条件で自己犠牲するようなタイプじゃないですから、生きているキャラを描くためにはストーリーの方を犠牲にするしかないんですよね。
 ほんと、小説のキャラはぜったい作者の思い通りになんか動いちゃくれませんね。
 んまあ、もう1つの願望「自分のキャラを思いっきり殺したい!」というのは叶えられたので、それでよしとしましょう。