あとがき・3
 さて、あとがき第3回(;)です。

 このお話の詳細な設定をしたのはなにしろ10年も前なので、ほとんど記憶にないんですが、もっと前に書いた小説の敵側の組織の話として書いたのが始まりです。
 敵の組織も似たようなスパイ組織なのですが、飛行機を落としたり、政治家を操ったり、宗教団体を隠れ蓑にけっこう過激なこともやっています。
 (のちに例のカルト宗教団体の事件が起こって、私は「事実は小説より奇なり」の言葉の意味を深く実感しました;)
 まあ、言うまでもないことですが、この物語はフィクションで、実在の人物組織とはまったく関係ありません。
 たとえ万が一似たようなことをやっている組織があったとしても、私はその存在を知らないので、抗議に来たり最悪処分しに来たりはしないでください(笑)
 また、この小説を読んでその気になって、犯罪行為に手を染めるようなことは絶対にしないでください。(間違いなく捕まります)

 以前いただいたメールの中で、この小説のモチーフというのを訊かれまして、それからずっと考えてるんですよね。
 でも、明確に「これだ!」と言えるようなものはなくて、自分が今まで経験したことや聞いた話から想像力をたくましくして、少しずつ出来上がってきた世界みたいです。
 例のカルト宗教ではないですけど、世の中にはほんと、どんなことでも起こりうる気がしてまして。
 これだけの数の人間が地球上に生息していれば、私が想像したようなことを考える人もけっこう多いでしょうし、その中で小説を書いているのはわりと平和な方で、中には実際にこういうことをしてしまう人もいそうな気がします。
 1人ではできないことが、集団になるとどんどんできてしまう。
 それは人間というもののとてもすばらしいところなんですけど、使い方しだいでものすごい凶器にもなります。
 サブロウたちがしていることは、反モラルではあっても反資本主義ではない。
 日本の根底に資本主義があって、自社の利益のみを追求する企業構造があるかぎり、サブロウたちの組織は現実味を失わない気がします。
 (あ、でも反社会的な犯罪行為であることは間違いないです。警察が資本主義で動いてない限りいつか絶対に捕まります)
 「永遠の一瞬」という小説自体は個人の日常を描いたものなので、書きながらこんな小難しいことを考えてた訳じゃないですけど。