永遠の一瞬・41
「シーラの奴、サブロウによっかかって寝てるのか。おい、シーラ、起きろ!」
「ああ、起こさなくていいよ。たぶん生理が近いから体調悪いんだ。寝かせといてやって」
 タケシの中にはチーム内の序列みたいなものがしっかりとあって、どうやらシーラはリーダーのオレよりもかなり下に位置しているらしい。だから3人でいるときには何があってもまずオレを優先させる。シーラが見ているときはオレに対しては絶対服従だし、オレに迷惑をかけるようなことをするとまず徹底してシーラを怒る訳だ。
 そういう姿勢はなかなか立派だと思うし、オレ以外の人間がリーダーならもう少しやりやすいんだろうけど、何しろリーダーがずぼらでいいかげんだからね。中間管理職ばりのタケシも大変だろうと思う。
「……お前、よくそんなこと判るな」
「シーラはね。近くなると狂暴で泣き虫になるからすぐ判る。……どれ、時間も遅いし部屋に戻って寝た方がいいだろ」
 そう言って、オレはとなりのシーラを抱き上げた。中身は子供でも抱き上げればかなり重い。って、別に太ってるわけじゃないんだろうけどね。軽々と、とはいかない。
「重いだろ。オレが運んでやる」
「もう遅いよ。それよりドア開けて。早くしないと落っことしそうだ」
 あわててタケシが開けてくれたドアを通って、オレは隣の部屋までシーラを抱きかかえて運んでいった。タケシは部屋の明かりをつけたところで戻ってしまったから、そのままベッドに横たえて、途方にくれる。まさかこのままって訳にいかないよな。Gパンのままじゃ寝苦しいだろうし、だいたいシーラは寝るときブラを付けてるのか外すのか。部屋が違うからそういう細かいことまで知らないんだよな。
 しょうがないから、靴下とGパンだけ脱がせて、ブラはホックを外すだけにして、その上から布団をかけたあと、オレは部屋に戻った。