永遠の一瞬・7
 オレたちは、ある組織に所属している、いわゆる秘密工作員だ。幼い頃からの一貫教育によって、3人1組のチームに育て上げられる。まあ、簡単に言えば組織的な集団泥棒のようなものだ。主に産業スパイのようなことをやっていて、企業同士の過当競争に茶々を入れて、報酬を稼いでいる。
 オレたちのような3人組をまとめてスターシップと言うのだけれど、そのほとんどは組織員の2世だ。オレの両親も組織の一員で、どうやら組織を裏切って殺されたらしい。そんなことは公にはされないし、オレがそれを知っている方がおかしいのだけれど。事実、タケシもシーラも自分の両親が誰なのかは知らない。
 スターシップ、チーム名レヴァンス、リーダーサブロウ。それがオレだ。本部からファイルを受け取って、指示どおりの仕事をこなし、その報酬は自分の命。オレたちは、仕事をすることで、組織から自分の命を買っているのだ。
 そんなこんなでまあ、内情はかなり過酷なのだけれど、それなりに楽しんでやってるといっていいんだろうな。ほとんど1年中ホテルに滞在していて、遊んでいるようなものだし、時々仕事しちゃ、命がけの綱渡りを楽しんでる。真面目にやってたら気が狂う。組織の上の連中は、オレが両親のように裏切るかもしれないって、いつも目を光らせているから。
 いつまで持つ命かなんて判らないけど、これがオレの生きている世界なんだ。