2000 04/14 19:47
Category : 日記
ミオに言われなくても判ってる。オレが言ってることは、さっきからおかしなことばかりだ。オレが本当に知りたいのはミオに恋人がいないこと。オレがミオを好きになっても、報われる可能性があるってことだから。
ミオのことを好きなのかどうか、自分ではよく判らない。なついてるだけかもしれない。ここにはオレとミオしかいない。もしも他にも女の子がいたら、オレはミオじゃなくその娘を選んでいるのかもしれない。
だけど、今ここにいるのは、本名も判らないミオという女の子ただ1人なんだ。
「恋人はいないのか? 本当に?」
「残念ながらね。今のところそんなに欲しいとも思わないけど」
「でも、好きな人はいるんだろ?」
「たくさんいるけど、恋人になりたいような人はいないわね」
本当か嘘かわからないけど、オレはかなりほっとしていた。
「だったら、1番好きな人は誰? 雇い主の男か?」
「それなら決まってるわ。あたしの1番好きなのは、世界にたった一人、あたしのパパ」
そう言った時のミオの表情を、オレはしばらく忘れることができないだろう。
ミオはオレの目を見ていた。まっすぐな視線で、でもけっしてオレ自身を見てはいなかった。ミオが見ていたのは、オレを通り越したその先。おそらくオレの後ろに幻として存在していたのだろう、彼女の父親だったのだ。
ミオは父親を愛している。彼女の愛情はその深さにおいて誰に恥じることもないだろう。オレは知っていたはずだった。彼女の愛情の全ては、今、父親の存在に注がれているのだ。
恋人を探している余裕なんか彼女にはないのだ。ミオは今父親に会うことだけで精一杯。たぶん、オレが入り込む隙間なんかないのだろう。
オレのことを本気で考えることなど、今の彼女に出来るはずがない。
ミオのことを好きなのかどうか、自分ではよく判らない。なついてるだけかもしれない。ここにはオレとミオしかいない。もしも他にも女の子がいたら、オレはミオじゃなくその娘を選んでいるのかもしれない。
だけど、今ここにいるのは、本名も判らないミオという女の子ただ1人なんだ。
「恋人はいないのか? 本当に?」
「残念ながらね。今のところそんなに欲しいとも思わないけど」
「でも、好きな人はいるんだろ?」
「たくさんいるけど、恋人になりたいような人はいないわね」
本当か嘘かわからないけど、オレはかなりほっとしていた。
「だったら、1番好きな人は誰? 雇い主の男か?」
「それなら決まってるわ。あたしの1番好きなのは、世界にたった一人、あたしのパパ」
そう言った時のミオの表情を、オレはしばらく忘れることができないだろう。
ミオはオレの目を見ていた。まっすぐな視線で、でもけっしてオレ自身を見てはいなかった。ミオが見ていたのは、オレを通り越したその先。おそらくオレの後ろに幻として存在していたのだろう、彼女の父親だったのだ。
ミオは父親を愛している。彼女の愛情はその深さにおいて誰に恥じることもないだろう。オレは知っていたはずだった。彼女の愛情の全ては、今、父親の存在に注がれているのだ。
恋人を探している余裕なんか彼女にはないのだ。ミオは今父親に会うことだけで精一杯。たぶん、オレが入り込む隙間なんかないのだろう。
オレのことを本気で考えることなど、今の彼女に出来るはずがない。