2001年01月の記事


生活省幸福局への申し込み
2050年春
その幸福受付所の窓口にはたいへんな人の列が
続いていた  
ほとんど公表されていない期間内のしかも最終日で もう殺気だった状況であった
朝から来てどれだけ並んだろうか
時折ふしぎな光景を見る以外はなんのへんてつもない単なる順番待ちであった
時折おこる窓口の停滞は ある一団の人達が高級車で乗りつけた時に起こる
役所の人が一斉に立ち上がりぎょうぎょうしく頭を下げる
かれらがそこを離れるとまた無愛想な調子で対応しはじめる
もう夕刻を過ぎようとしていた
突然 列のうしろの方でおおきな哀願する声が響きわたった
もう今から並んでも受け付けできないと宣告されたのだろう
きっと遠方からはるばる出てきたとか
なんらかの事情で遅れてきたのであろう
かわいそうだがなんともし難い
朝から来ていたわたしでさえヒヤッとさせられた
だいぶ並んでから 申し込み用紙のこと 印紙のことなどがわかってきた
その都度 ちがう窓口に並びかわった
もう足は棒のようになっている
またこの建物にはやすむところがなかった
幸福になれるのならこれくらいのこと
そう自分にいいきかせてじっと我慢した

ようやく自分の番がまわってきた
幸福券 おとな2枚 こども3枚 年寄り2枚
お願いします

ここでお渡しできるのは本人さんの分1枚だけです

えっ.....
顔面より血がひいていく

でも たしか先ほどの方は.....

あのひとは委任状をお持ちでした
あなたもお持ちですか

いいえ.....

じゃだめですね

わたしの分だけですか

A君 さきほど見えられたO様の券10枚追加しておいてくれ お知り合いの方の分だそうだ

はい わかりました 用意します

あのう 委任状はいつまでにお持ちすれば....

今 なかったら無理ですよ
じゃあなたの分1枚 さあ どうぞ

す..... すみません 結構です

わたしは茫然としながら窓口をあとにした
おとうさんは体調をくずしているのに無理して
仕事に行っている
こどもは家計を助ける為に 毎晩おそくまで
内職の手伝いをしている
年寄りふたりは若い頃の無理がたたって身のまわりの世話が必要になっているが 
パートの仕事で充分なことがしてあげられない
そのパート先で偶然幸福券の配布の話を知ったのだ  家族みんな期待して待っている
少しでもいいから今より楽をさせてあげたい
そう心から願ってやってきたのに
今のわたしにとって 1枚だけの幸福券など
なんの未練もない
なみだがこみあげてきたけれど
わたしは胸を張って家族のもとへ帰れると自分に言い聞かせた

後日 幸福券に絡む汚職事件が発覚し券の効力は失われた
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私自身 �W
ひとりひとりの存在は 生命の連続性に
かならず役割を果たしている
どんなところに
どんなかたちで生きていようと
ひとりの存在があるとき
それだけで意味がある
自分自身がおこなう自己評価とはちがい
いろんな意味において役割を果たしている
役割の対象は人間だけではない
存在するということは実に多種多様な
影響を周囲にあたえているといっていい
息をしたり 服をきたり 立ち上がったり
座ったり 草をふんだり 水をまいたり
ひとりでいようが 寝ていようが
どんどん役割を果たしているのである
何億かの確率で受精し誕生した命である
意味はおおきい
また周囲にとって おおきな役割を果たす時は
長い人生のなかで 数度は訪れるもの
いつ訪れるかは個々のおかれている環境で違いはあるけれど
自分でも気づいていない能力が 
ためされたり もとめられたりする
ふつうにしておればよい
背伸びする必要もない
さぼってもよい
いつかおおきな役割を果たす時がやってくる
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カフェにて �\
こんどはゆっくり逢って話そう
電話とかメールじゃなく
どうして?時間を都合つけるの難しいわよ
うん だけど なんとか都合つけてさ
電話じゃぼくの表情わからないだろ
パソコンにしてもそうだし
なんかじっと画面をみつめていると疲れてくるんだろうか 短気になっちゃうみたい
そうかしら
ぼくの場合はね  このあいだ妹に言われたんだ
じゃ いいわよ

電話を切るとギュッとまぶたを閉じた
なにかしみてくるような 渋い味がするような
肉体的にも心理的にもかなり疲れていると感じた
今はまだ彼女と直接逢った方がよい
もっともっとお互いが分かりあえるまでは
実際に君の目をみつめて話をしたい

手にはさきほどの受話器の感触が残っていた

 
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貨幣との対話
貨幣は人間より長生きしている
いままで たかが人間によって造られた単なる小道具と考えていた
でも祖父母も亡くなったが依然として
貨幣は堂々と生きている
価値の変化はあっても属性は昔のままだ
これこれの値打ちがありますよ
この商品と交換できますよ
これでミサイル買えますよ
などなど こういう性格は変わらない
私たちには悲喜こもごもの人生の波が繰り返し繰り返しやってくるが
貨幣はいたってシンプルに存続していく
貨幣の価値を認める人間の存在がある限り
誰よりも長く生きつづけ
ある瞬間の ある人や国からの批判に対してもなんなくスルリとかいくぐる
全員が同時期にストップボタンを押さない限り
永遠のいのちを貨幣は手にいれたことになる
しかもまるで学習機能を持っていたかのように
ひとの知らないうちに人間の心理を操る能力を身につけている
まったく便利なようでやっかいな存在である

ここまでわかっているんだ
少しはおとなしくするかい 貨幣くん

「 マーネィ! 」
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新造語
麺 単品

エリゴノミーグラス症候群

世界圏外会議

吉野家けんちん会議

ギネス挑戦  巨大折箱 巨大折亀

去るも 気から 陥る

攻防も 富での あやまり

むこに 小番頭

尼の耳に 念仏

風船の 友引

紙面 爽快

成人の日 新辞典
成人の飛
成人の卑
成人の火
成人の非
成人の悲
成人の否
成人の避
成人の秘
成人の灯
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その川
川に 流れる 雨蛙(あまがえる)

水蘚(みずごけ)宝に 見えにけり
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しぜん君との対話
ぼくたち人間は今 文明の発展にともなって
ややもすると忘れかけていた自然の大切さにやっと気づいてきた
「......」
開発とか生活の向上という理由なんかで ずいぶん自然環境を壊したりよごしたりしてきたと思うよ
「......」
ようやく自然の大事さが理解され 自然保護運動や国際的な環境規制 それと教育の現場での
学習も段々活発になってきたよ
いわゆる人類と自然の共存共栄だね
「......」
どうだろう このへんでもう自然災害なんか起こさないようにしてくれないかなぁ
「......」
ぼくたちはすごい科学技術も知能も実行力も持っている はやく手をつないだ方がいい
ねぇ どうだろうか
「......グラッグラッ......」

ぼくはそのとき恐怖を感じた
お互いが同じテーブルにつけないことを思い知らされた
自然はなにも保護を求めている訳じゃない
人間の行く末とは無関係に 淡々と物理法則に従って日々運動しているのである

ぼくは{自然を守ろう}とかかれたポスターのスローガンの上に一枚の紙を貼り付けた

{わたしたち人間の生きていける自然の生態系 を確保しよう}
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結婚祝い
通りすぎた春を 数えていると

どこかで君の 春とふれ合う

想えば長い ひとり旅

二枚の切符は 離さない

未来へ流れる そよ風を受けて

この帆船は 波に揺られて行く

日が昇る 海の 向こうまで
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癒されたいペンギン
薄汚れた氷原に立ち尽くし

ペンギンは思った

ペンギン関係は人間関係以上に難しいと

第一 個性がない

派手なかっこうしたヤツを見かけたことがない

学生服のような色合いだ

そんな訳だから 日常が実に単調なのだ

今日は昨日より若干暖かいなとか

あいつのエサはうまそうだったとか

あの坂はよく滑るとか

もうくだらん話はやめたまえ

人間を見習え

地球を暖めてくれたり

海に自分たちで作った溶けない物質を

紹介してくれたり 実に刺激的なことをやって

くれる

だからテレビや新聞は本当に毎日が賑やかだ

ペンギン新聞なんか随分発行されておらん

つぎは 絶対人間に生まれるぞ!
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私自身 �V
頼りにならないのも 人なら

頼りになるのも 人

ひとの力なんて借りないと思っていても

思いっきり助けられることもある

自分なんてなんの価値もない存在だと

考えていても

思いのほか なんらかの役割を果たしている

なんでそんなことしているの 

なんでそんなこと考えているの

と誰かに思わせることでさえ.....

そして いつの間にか

誰かにとってなくてはならない存在にまで

なることさえある
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振向茶屋 �V
少年がとぼとぼと戻ってきた
よう!お帰り
少年はうつむいたまま言葉もなかった
どうした 元気ないな 何かあったか
なんにもなかった
そりゃ一安心
なんにもなかったんだよ それがうれしいの
ああそういうことか 求めておったものがみつからなかったんじゃな
みつからなかったんじゃなく
なんにもないんだよ そんなもの
ほほう そりゃ残念だったな あんなにはりきっておったのにな
笑ってもいいよ おじさん
なにをいうか わしもなんか悲しいわ
とりあえず まあいっぷくしろ
ほれ あったかいぞ
おいしかったよ あの竹筒のお茶
そうかそうか いきしなに渡したあのお茶を
飲んでくれたか
おいしいなここのお茶
おじさんもな さっきまで旅をしとったんじゃ
へぇ ずっとここにいたんじゃないの
そんなことしておっては飯も喰えん
おじさんは仙人みたいにずっとこうしていても生きていけるんじゃないの
わはは 夢みたいなこといいよって
にんげんは皆それなりの事情をもって暮らしとる
ここへやってきては人生の海原をみつめて
いっぷくしとるんじゃ
するとな 何処へいってもみえなかったものがだんだんみえてくることもある
ぼくもまた来ていいですか
もちろんじゃとも ここではだれもが遠慮なくいっぷくできる あわてずゆっくりやってくれば いつでもここはみつけられる
木陰を通り抜けてきたすがすがしい風が 茶屋のふたりをつつんで 目の前の景色をくっきりとさせた
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カフェにて �[
雨宿りのような入りかたもある
あまつぶがおおきいと その水玉は一緒に
連れてこられたかのように服に寄り添って
キラキラ光る
じつは彼女の電話の呼び出しでここへ来た
どんな話なのかはわからない
このあいだのことを謝りたいとか
それならうれしいんだけど
もう別れたいとか
もうどうでもいいや 驚かないよ
なんて全然心から思えない
はやく来てくれ
いろんなこと頭に浮かんでそれだけでもうドラマのクライマックスをむかえた気分になる
お店がおかわりのコーヒーを入れてくれた頃
彼女はアイロンをかけたハンカチを届けに来た
あっけなくシンプルなドラマは幕を降ろした
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ダンス用テープ編集
A-1 Diana King「Shy Guy」
-2 JanetJackson「Doesn'tReallyMatter」
-3 SWV「RightHere(H.N Remix)
-4 Incognito「Don'tYouWorry'boutAThing」
-5 X-Treme「That's The Way」
-6 Felicidad「DamDamDeo」
-7 Chumbawamba「Tubthumping」
-8 EWF「September」
-9 DJ Hiyoco「あなたがほっといたのに」
-10 ZERO ZERO「Lonita」
-11 Orienta Rhythm「OH Yeah!」
-12 DJ ISE「K2」
-13Watermana.k.aKenHarada「MirrorBall」

B-1 Afterlife「Glide]
-2 DENKI GROOVE「Nothing'sGonnaChange」
-3 COSMIC VILLAGE「Translucent」
-4 COSMIC VILLAGE「The Mirage」
-5 Beastie Boys「Body Movin'」
-6 Mone't「Essence」
-7 Cooly's「Make Me Happy(SpinnaMix)」
-8 Silent Poets「Love Runs Faster」
-9 nova nova「Bewildered」
-10 Shinji Takeda「Speed」
-11 Plastilina Mosh「Afroman」
-12 Genai「Heaven On Earth」
-13 4D-JAM「City Of Tracks」
-14 E.WF「Boogie Wonderlavd」

クラブでかかるダンスクラシックス中心に編集しています。
すべてのジャンルのダンスをミックスするのが流行しています。
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口笛
やさしい風が 吹く時も

悲しい風が 吹く時も

いつも 口笛 ひとりで


一番星を 見る時も

おぼろ月を 見る時も

いつも 口笛 ひとりで


無口な 君と 逢う時も

Coffee Shopを 出る時も

いつも 口笛 ひとりで
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糸魚川の旅
糸魚川での  思い出は

浜辺の砂に  混ざってた

波に洗われ  潮に揉(も)まれて

緑に透き通る 宝石達
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近未来について
2100年国際海洋文化省は
次の事項を賛成多数で採択した
アシカに各国選出のプロジェクトチームによる
自浄教育を受けさせるものとする
2110年のこと
わたしはそのあまりの光景に自分の目を
疑った
座礁した大型タンカー近くの海岸に
アシカたちはタオルにみたてた海藻で
ゴシゴシからだを拭いていた
報道カメラマンらは油にまみれたかれらの
すがたをとらえることは出来なかった
関係者は ほくそえんだ
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風の森峠を越えると
そぞろ神を 友にして

出かけた処は 吉野川


西に傾く 日をめざし

歩いた果てに 吉野川


髪に寄り添う 花びらを

風に流した 吉野川


大川橋を 渡る時

何を想うか 吉野川


大川橋を 渡る時

水に流した 吉野川
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恋愛環境 �\
そのひとの住んでいる街並みを

気持ちをたかぶらせて眺めてみたことが

ありますか

そのひとが見える訳でもないのに

相手の何かにつながるものは

みつけられないかなぁとか

あるとき そのひとが偶然窓をあけて

あるいは ちょうど出掛けようとして

自分の姿をみつけてくれはしないかと.....

どこがそのひとの家かも知らないのに

いつの間にか 

街全体をいとおしくみつめている

恋に恋する時節は誰にも訪れるものだ
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恋愛環境 �[
自分ですべてをこなしてしまうと

相手にとっては

そのひとの為に

わたしは何をしてあげられるのか

という問いに

答えがみつけられなくなる
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公園にて �V
仕事の途中 公衆トイレに立ち寄る

らくがきが目にとまる

このごろ悲愴感漂うものによく出会う

「競馬ボケで脳みそがやられてしまった
   ホームレス 58才 」

事情はおおよそ察しがつく

たまにはすごく贅沢をしたくなることがある

それを本気で実現させようと いちかばちかの

勝負にでる                                     

結果が出るまでの間

いかに自分は男らしい勝負師かと思ってみたり

もする

こうして この公園は夢破れた人たちを

何も言わず 受け入れていた
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点綴(てんてい)の詩(うた)
光る 踏絵の 前に来た

女は 目を閉じ ひざまずく


年貢は まだか 戸が倒れ

明日まで お待ちを 地主様


釣り針の 餌(えさ)は もう飽(あ)きた

日本 沿海 ひとまわり


鎖国の 中で 非常識

魚より 常識 人間よ


乾いた 田畑を 一昼夜

駆ける 農夫に 月の笑み
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H.Hさんの詩 「夕凪(ゆうなぎ)」紹介
わたしはひとり 旅に出よう

山にわたしの 悲しみ語り

海にわたしの 涙を捨てに


わたしはひとり 旅に出よう

悲しいことを 忘れてしまい

笑顔であなたに 逢えるように
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恋愛環境 �Z
恋愛のコツ?

恋愛のコツなんて

夕暮れに

大平原に咲いている

一輪の草花を

見つけに行きたいって

言っているようなもの
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恋愛環境 �Y
結婚に到るみちすじは 

いろいろあるものだが

恋愛のみちは

狭くて 目印もなく

見失いそうな

消え入りそうな

一本みちである
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恋愛環境 �X
恋愛の はじまりには

相手と共に

自分をも観察してしまう

という覚悟と勇気が

必要です
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恋愛環境 �W
こころのおしゃれが

その人に合った

いちばん輝いた

表情をつくってくれる
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常磐 (ときわ)
川が あれば 橋つくり

魚が いれば 網つくり

山が あれば 道つくり

海が あれば 舟つくり

野原が あれば 道つくり

あなたが いれば 家つくり
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朝夕 (いっぽさんへの投稿詩−ラスト)
光が あれば 朝になり

人が 来れば 昼になる

闇が くれば 日は沈み

夢を 見れば 夜になる
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カフェにて �Z
ごめんごめん おくれて!
N君たちは来なかったの?
いや.....

遅れてきたことへのイヤミかな
僕はデートのつもりだ
いやそれ以外思い様もない場面だ
ええ ほんと マジ??
これ 声を出して君に聞き返す勇気ないよ
おれを待ちわびてくれたんじゃなかったの
なにもそのことに触れないまま 気まずい雰囲気のなかで場面はすすむ

みんな来るって思ってたのに

彼女はさらにたたみかけた
楽しみにしていたこの二人の出会いの瞬間が 音をたてて崩れていく
なんなんだこれは.....
しかも約束の時間に遅れてきたことなんか全然関係なさそうで みんなと一緒でなかったことが本当に残念らしい
ああ 悪夢のよう
いままでの二人の間に流れていた時間はなんだったんだ
まさか お友達のひとりよって言うんじゃないだろうね
あのときの笑顔 はしゃぐ姿 内緒の話

片思い.....ずしっとその言葉が心にのしかかる

その後の食事もお茶も ほとんど茫然と...

われに戻ったのは自分のベッドに倒れこんだ時

くやしさがこみあげてくる

あんなに大事にしていた時間
あんなに心待ちにしていた時間
彼女へのプレゼントを綺麗に包んで貰っていたあのドキドキの時間

それは いったいなんだったんだよ

どこまでおれを突き落とせば気が済む?!

頬にあついものがよこぎった時
実に自分は情けない存在だとののしった
同時に 頭の中をすべて真っ白にしょうとしていた

この時の出来事について その後彼女に確かめる日は 遂に訪れなかった
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ハミング
口に 出さない 言葉では

愛だか 何だか 分からない

胸に しまった 便箋は

子猫が くわえて 行きました


口に 出せない ことならば

態度で 示せば いいのです

朗らか ニコニコ 顔してさ

子猫を 抱いて 行きなさい
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茶屋できこえたわらべうた
空から 粉雪 降りますね

冷たい 風に 流されて

春の かすみは かからんね

白い 雪が 見えるでしょ

私 やむまで 待ってるわ
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夕焼け 見たさに 分かれ道

峠 越す人 居りませぬ

山を 越えるか 雁の群れ


風の 吹く日が また過ぎて

明日(あした)こそはと 手を合わす

宿の 前に 塞(さえ)の神


夢の 中では 旅支度

ひとつ ふたつは 良いけれど

山を 越えるか 商人(あきんど)よ


露を はらうは 蝸牛(かたつむり)

旅を 続ける 人の為

朝露 溜めて 井戸の水


唄を 歌って 宿の子が

旅立つ 人を 追いかけて

強請(ねだ)る 言葉も 消えていく
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恋愛環境 �V
いわゆる男性が陥る束縛性は独占欲征服欲に基づく そのくせこの達成感を持続するのが下手である  手段に対する工夫想像力は旺盛だが
結果に対する展開力や深め方はいかにも貧困である
女性は好奇心に富みその意味でひとつのものに決めるまで選択のプロセスを必要とする
男性側はこれを優柔不断とみるが 女性の香り輝く期間にはおのずと限りがある為 このわがままは許されるべきものである
それと終わったことにいつまでも未練を持たず気分を一新する能力 これも男性に比べ秀でている
男と女はそれぞれ持ち味が違うのであるから
性格を一致させようとするのではなく 互いの弱い面をいかに無理なく気負うことなく自然と補っていけるのかに関心の的を置かねばならない
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午後のアトリエ
ひとむれなしてゆく鳩に

逃げるすずめが迷い込めば

みるみるうちに散り去って

よすがなき友ふと想う

いずれはわかるまごころに

むすめごころはなじまずに

波をくぐる陽(ひ)の如く

優しさだけを伝えたい

心をくだくわたしには

問うこともなく離れ去る
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本日のBGM
1. Monet 「DividedDreams]
2. Cooly'sHotBox 「MakeMeHappy]
3. DianaKing 「ShyGuy」
4. JanetJackson 「Doesn'tReallyMatter」 5. SWV(HumanNatureRemix「RightHere」  6. Incognito 「Don'tYouWorry’boutA
Thing」
7. Afterlife 「MakesMeFeel」
8. DJ Hiyoco feat.YUKIE
       「あなたがほっといたのに」
9. TLC 「NoScrubs」
10. DonellTones 「U KのwWhat'sUp」
11. Levitation 「MoreThanEverPeople」
12. BigMuff 「FeelWhatYouKnow」
13. Joyce 「DuasOrTresCoisas」
14. A.D. 「WeGrooveYou」
15. Aaliyah 「BackFath]
16. Smooth 「It'sSummertime」
17. A TribeCalledQuest」
18. Hi-Five 「She'sPlayingHardToGet」
19.MikeDavis「Ain’tNoStoppin'USNow」 20. BlackMachine 「HowGee」
21. Clock 「RockYourBody」
22. ElishaLa'verne「IsItGoodToYou#1」
23. CherylLynn 「GotToBeReal'95」
24. Nitebreeds「Everybody'sOnTheBeat」
25. GTS feat.RobbieDanzie
「I BelieveInMiracles」

以上 120分のテープで体をリズムに合わせて動かせていますと暖かくなります。

あたりまえだヨ〜ン  (失礼イタシヤシタ)
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恋愛環境 �U
あなたは想いを寄せる人の後ろの方に座っていませんか そしていつの間にかその人のことが分かってきたみたいに思い始めていませんか

相手の前にいない限り 一方通行の関係でしかありませんよね
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公園にて �U
わたしの通るその公園は
いろんなドラマがありそう
ホームドラマに学園もの
それにミステリー

さっさと通り抜けるわたしは
損をしているのかな
老人がよくパンくずを撒いている
サーと飛び降りて寄ってくる鳩の集団

その日の光景は印象深かった
陽だまりのなかに一羽じっとしている
しかも目をつぶったままで

「 鳩 もうすこし 寝る 」

わたしには この一文が胸に刻まれた
その鳩は たしかに背中でそう語った
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クラブダンスの場合
仕事仲間と金曜の夜におつかれさま会をする。
そしてJRの駅で別れ地下鉄に乗りダンスへ。
たいがいきれいなトイレで着替える。
クラブの中に200円のコインロッカーがあるから着替えた服の入ったカバンをそこにしまう。あとは心おきなく踊る。
朝5時までのケースと3時までのケースと当日11時半ごろまでの3パターンがある。
深夜3時の場合だけ深夜喫茶にゆく。
だらだら踊れば一晩中でも続けられる。
音楽に合わせ、表のリズムと裏のリズムを行ったり来たり、空中をさまよい歩くように表現する。体より魂が浮遊するみたいでとてもいい気分だ。
心身ともにリフレッシュ!!
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狭い公園にて
このあたりは丘陵地帯が開発された商業ビルと新興住宅が混在している地域であった
ひとつひとつの空間がおおきく、勤めているか住んでいる人にとってはゆったりとのんびりとしたいい環境だ
ところがあるビルの中のひとつの会社を探しにやってきた私には逆境そのものであった
道路からもビルの中に入っている会社が確認できるように工夫しろよ  21世紀だぜ!
バーガーショップでさえ店内に申し込みに行かなくとも各種の商品を車の中から選べてしかもその場ですべて商用は済まされる
20世紀よりすでにこういうシステムが出来上がっているというのに
さすがに番地はビルの角に表示されていた
こちらは住所がわかっている
みつけられるのは時間の問題だった
ほぼ番地に該当するところまでやってきた
メイン道路から曲がってとりあえず車を停めた
カバンに必要なものをいれ上着を着る
そとは寒風がわがもの顔で吹き荒れている
フン すぐビルの中に入るさ
とは言ったがおおきなビルでしかも余裕をもって建てられたものだから本当の入り口までがけっこう遠い
やっと入るとさすがにそこまでは寒風は追いかけて来れない
フフフ 
しかしそこのテナント案内板になんと目的の会社の名前がない
名前を伏せているのか
そんな...電話帳じゃあるまいし
番地は間違っていないがその後が違うのか
表で寒風が早く出てこいよと口笛を吹いている
表情は変えずになにも考えないようにまっすぐ
車にむかう
乗り込むとブルッとからだが震えた
つぎに飛び込んだビルは間違っていなかったが
物品搬入専用のエレベ-タ-しかないフロアだけというおまけつきだった
ところでこの近くには車を停めておける適当な場所がなかった
それでちょっと離れた住宅区域にそっと停めた
住民の目を気にしつつ ...
ビルの近くにはわざわざ交番がつくられてあり
なんとレッカー車が不気味に白い排気を風にたなびかせて停まっていた
なんでこんな日におるの?
心配でそそくさと仕事を片付ける
車に戻り座席にぐったりからだを沈めると今度は膀胱が圧迫されているのに気づいた
さぁ困った こんなところには何もない
狭い公園以外 なにもない
なにもないことはないか
狭い公園がある
もう迷い考えている時間はなかった
ほてった頬にこの寒風は心地よかった
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景色について
窓からのぞくとピカピカ光る大きな湖が見える
湖の周りには山々がそびえる
毎日そういう美しい風景が眺められる
夜になると月の光が湖面できらめいた

少年はかつて大都会の映画を見てその光景に憧れた
少年は夢見た
湖はすっかり埋められて高層ビルが立ち並ぶ
そんな大都会が窓から眺められることを

今 少年は大人になってマンションのベランダからその大都会を見ている
そして何か失われたものがあるということをうすうす感じている
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私自身 �U
わからないことが何か がわかるとき
はじめて一歩進める

更に どうすればわかるのかがわかるとき
また一歩進める

そうして わからなかったことが理解できたとき 新しい道が現れる
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カフェにて �Y
扉をあけた瞬間 ああ昔ながらの喫茶だなと感じた  カウンターの他にはちいさなテーブル席がふたつ
奥の二人席にどかっと座る
普通ならマスターと話するためにカウンター席に腰を掛けるんだろうが こちらははじめてでそんなつもりもない
マスターもさすがにそのあたり心得ていてあえて話しかけてこない
実はだれも他にはいなかった
でも遠慮なくひとり自分の空間に浸っていた
モーニングサービスのゆでたまごは後からということだった
いそぎの用もなかったので別段かまわない
賑やかしにもうひとりくらい客が入って来ないかなぁと漠然とした希望はあったが
まぁそんなときほど誰も訪れて来ないものだ
たまごがやってきた
自分にとっちゃ客だった
めちゃあつ〜い!!
できたてだから仕方ないか
そういえばチェーン店ならこういう場合熱いので気をつけてくださいとか言うよなぁ
とか思いながら殻をむきはじめた
水で冷やしてくれたらと言いたくなるほど熱い
薄い膜もむいていくと殻の下からヌルっとまたねばっこい熱水が湧き出てきゃしゃな指のひらを直撃する  ウォーと口の中でうなる
ガマンゲームかこれは
マスター 配慮が足りんぞ!
だからこの店ひまなんだぜ
とも言えず ひたすら耐えてむき続けた
こんな苦労は久々だなどとほんの短い時間に次々と愚痴や非難が頭のなかに湧き出てくる
むき終わったときには達成感がこみあげ
食欲がおこるどころではなかった
でも折角だから食べる
こんな思いをさせたんだから うまくなかったらコーヒーのなかで溺れさせてやるぞ
と そこまではその時思いつかなかったが  まぁそういう状況には違いなかった
いつものように塩をふりかける
できたてのたまごは今までもみているが
少々期待できたのが表面がちょっと透明みたいな半熟っぽいおもかげがある
確かにプニョプニョとつるやかに柔らかい
ガブッと口に含み噛み口をじっくりみつめながらモグモグする
ふむ いけるじゃないの
断面は地球のごとく黄身の断層があり
中心部のコアは実際とは逆にドロドロと煮えたぎったマグマの様であった
イケルじゃん
これは言わねばならんなと思った
ちょうどそろそろ沈黙には飽きてきた
うまいね!できたては...
素直にそれだけ言えばよかったが それでは釜ゆで地獄のおもいをし今では感覚がなくなりつつあるかわいい我が指に申し訳なかったので
枕ことばに 「あついけど」とつけさせて貰った
そうでしょう!
待ってましたとばかりにマスターの逆襲が始まった
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私自身
昔 僕は幼さとたたかった

先頃までは 運命とたたかった
妥協とたたかった
弱い自分ともたたかった
ひとりで社会ともたたかった
女ともたたかった

そして今 流れ行く時間とたたかいを始めている
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   恋愛環境
  自分の感情に 酔えますか

  マジな一瞬 持ってますか
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地震について
ひとが試される
どんな行動をとるか試される
場面によっては命を試される
じぶんの命のことだけではない
じぶんの家族や近所 年寄りや子供
見知らぬ人.....
そのひとたちの生命の危機に対し
じぶんが試される
優先順位は即座に決められる
じぶんの命をなげても他の人を救える可能性があれば 存外簡単にじぶんを捨てる
大震災はそういう人間の本来もつ尊さの証明をあまりに悲しい犠牲と引き換えに示してくれた
人間を見捨てられない理由はこういうところにある
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パソコンについて
すぐねれぬ 入力ミスで また深夜
マウスさん しっかり伝えて 思うこと
大脳に   接続したいよ  マイページ
お気に入り 彼女のほうは  オフライン
あたたかい 部屋にあるのに すぐ凍る
うばわれる 時間のながさ  通知なし
あらわれる 項目開けつつ  百万年
おっとっと 注意 警告   キーたたき
もういらぬ 早くとまれよ  白 印刷
思い出す  メンテ見つづけ 眠ったころ
あせったな 閉じても残る  ある画像
初メール  外人さんから  ソーリーと
習うより  慣れることより あきらめよ
うまくいかん 気持ちも一緒に 再起動
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カフェ �X
人は複数の肌触りを有する存在だ
ひとりでは味気ない
複数ではじめて色合いが出てくる
数が多いと社会現象が現れていわゆる公平を欠く人間模様が浮かび上がってくる
さらに増えると人間がかすれて貨幣のうごめいている様子が眼前の風景として際立ってくる
宇宙飛行士が光も吸い込むくらいの墨のごとく真っ暗な宇宙にひとり青く浮かぶ地球はきれいだったと言った
わたしは思う
ひとが見えないからきれいにみえたんじゃないかって
すごい能力がまじめに活用されなかった生物
どの星で生まれていても同じようだったのだろうか
きれいな水の しかも微妙な成分のバランスの中でしか生きていけないくせに
自分のわがままの為に 生態系を壊すことに必死になっている
だれが主導しているというより 集団心理がどんどんエスカレートしていって たまにこしらえられたブレーキをいとも容易く乗り越えていく
人類の最後ってどんなのだろう、ずいぶんと先のことだから想像もつかないやと子供の頃思っていた
それが最近 すでにその場面に遭遇しているんじゃないだろうかって疑うまでになってきた
過去の人たちからおおいに悲しみと同情を寄せられているのは今のわれわれではあるまいか
まさか...である
地球環境の激変でもなく 大彗星の衝突でもなく
或るわがまま、欲望、放任された未成熟のシステム
そんな まさかが いままさに わたしたち人間の終焉を招き入れようとしている

どう こういうの?
言い方は少々違うけど よく言われるようになったフレーズよね
そう どんどんみんなが本気になって考えていかないと
未来はそんなにくらい?
いや すごい知恵をもっている人は必ず現れてくると思うよ でもそういう時にまである企業が自分の利益の為だけの行動にはしった場合
相当深刻な事態に陥るね
おそらく自分で自分のくびを絞めていることなんてつゆ知らず得意げになって浮かれているだろうけどね
このコーラにミント浮かべてもおいしいのよ
このギャップ...好きだなぁ 救われる...
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いっぽさんへの投稿詩
  「空からの落し物」

雷は 自然の摂理で落ちてくる

爆弾は 人をめがけて落ちてくる

  「ふたつの孤独について」

人の気配のない孤独は すごく残酷な淋しさだ

たとえば隣の部屋に人の気配を感じられる孤独

は 最高に優雅だ

  「変化について」

変化とは なにかちがう状態になることをいうのだが 
存在の本質は変化そのものの気がする。
つまり一旦存在というものを認めると
つぎは存続のために変化しつづける。
変化の方向性は つぎにさらに変化でき得る
ものへとすすむ。
変容を受け入れないものにはすすんでいかない。

だから 自分も変化することを拒否しない。
ちがう次元の話であっても いや存在しているのだから 自分も含まれてよい。

  「神について」

神は

原始人を創れても

現代人はつくれまい

  「カフェにて �V」

お店によってまた雰囲気はかわる
つぎにふたりが逢ったのは心斎橋のはずれ
長堀通りの北側
一方通行のほそいとおりから急な階段をのぼると 木造というイメージで統一された床とテーブルの空間に しゃれた音楽がながれている
カテキンが含まれているときいた紅茶をオーダーする
なぜレモンなの
えっ ああ ミルクだとなんかちがうものに
なっちゃうみたいで
ふふ へんなところ繊細
多少気楽な気分
でも今日の曲調ばらばらだな
ユーリカとおもったらつぎはJAZZANOVAのリミックス S.ワンダーとおもったらこんどは
サイレント ポエツ
おとこは気分がよかった
おとこは有利だった
おとこはほかにも彼女らしきひとをつくった
そうしないと目のまえの女性と対等に向かえないような気がしていた
なんの問題もない
複雑な関係をもとめているわけではない
悩みの相談をうけているわけでもない
ただ偶然ふたりに共有する時間があって 
その時間につきあっているという感じ
棚にポツンと置かれた透明のちいさな花瓶が
虹色にきらめく
花瓶もゆっくりタイムとつきあっている
まぁこんな日もいいな
彼女はリズムをとるようにうなづいた

  「カフェにて �U」

また今度はいいひとがみつかりますよ
ねぇ おとうさん
あわてるこたぁないよ
もうずいぶん歳とっちゃったわ
まだいってないお友達もいらっしゃるでしょ
二度目いってない子はいるわね
そういう意味じゃありませんよ もうこの子っ
たら
ゆっくりでいいんだ ずっとでもいいんだ
そうしょうかしら
おとうさん 本気にしますよ この子は
それなりに店内は混んでいて少々暑くなっていた
自然と隣のせきの会話は耳にはいってくる
すきなようにすれば くちを閉ざしつつ叫ぶ
そんなことより なぜ彼女は来なかったんだ
あの夜 別れ際 なぜさしだした手にこたえて
くれなかったんだ
べつなことでも考えていたのか
さしだした手の意味がわからなかったのか
かるく手を振っただけで...
こんなこと気にしている僕がおかしいのか
たしかに僕と彼女はまだなんのつながりもない
ようやくともだちと呼べるくらいの関係と
思われているのかもしれない
あぁ それだけにいまイライラしている自分が
悲しい
もうずっと来なくていい
もう一生逢ってやらないぞ
からだじゅうのすみずみに響きわたるくらい
あたまで叫んだ
隣の席はまた違うひとたちに変わっていた
そろそろ自分も出ようか
追加オーダーの声が店内に響きわたった

  「広い公園にて」

芝生
娯楽
音楽
寝ころぶ
家族づれ
若者たちの遊び
青空や雲
犬と幼い子
昔のこと
今のこと
幸せなこと
そうでもないこと
まあいいやとか
これでいいのかなとか

  「振向茶屋」

それはひとつの方法であって決定ではなかった
まだ自分というものがどのような道筋をたどってゆくのかということを おぼろげにしか
追い求めていないのだ
今なぜこの生き方を選択しているのかは
ほとんど偶然の成り行きでよかった
それほどに今までの自分には裏切られ傷つきも
している
それほどに訳のわからない神秘な人生を歩まされている
希望に満ちてもいないし といって落胆もしていない
私はいま実は人生の路の茶屋に腰をおろしている
そういう場面だからほっとひといきいれている
これが自分の生き方の方法であるんだろう
決定的にこれが自分のすすむべきみちだなどとは考えもしない
この生き様が絵になるかどうか
それはもっともっと後のはなしであろう

  「公園にて」

鳩よ飛べ

平和のない国まで

鳩曰く わたしは飛んで来ましたと

  「カフェにて」

実際よくわからなかった
なぜここにふたりいるのか
駅に近い高架下の喫茶にはそれほどひとはいなかった
照明はほのぐらい感じで夕闇と混ざっている
はなしはとぎれたまま静かに流れていた
まるで映像の終わった画面をうつろに眺めているように 無駄にすすみゆく時を やるせなく
見送っていた
彼女がやつれた氷の浮かぶグラスを傾けたとき
わたしはようやくけだるいまなざしを
視線に変えた
どうしょう
どうするつもり
そういえばまた沈黙がふたりを包んでしまうと
わかっているのに
溜息に染まったその言葉しか
ふたりには選ぶことができなかった
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振向茶屋 �U
どうした息をきらして
いそいでいるんです
このお茶はうまいぞ
そんな暇なんかないですよ
ほう そんなに時間はないか
おじさんはなにもすることがないんでしょ
ぼくは山ほどすることがあるんです
そうかいそうかいそれは本当に大変なことだね
まあでもここでひといきついていかんと
しばらくこのさき休めるところがないんでなぁ
休むつもりなんかないです はやくいかないと
ほうほう こりゃすごい勢いだ
で なにに向かっていくんだね
そんなこと考えている余裕なんてないですよ
あれもこれもいっぱいあるんです
でもそれほどがんばったら疲れてしまって
いい仕事ができんぞ
しごとなんかしませんよ
ふむ それじゃ勉強か
勉強は学校ですること 関係ないですよ
じゃ遊びにいくわけか
このぼくがそんな風に見えますか
さぁますますわからんようになったが...
とりあえずこれは山のみずがはいった竹筒じゃ
持っていきなされ
うん じゃ行くね
また駆けはじめた男子は角を曲がる際
思い出したかのように竹筒を上にかざして
笑顔をおくった
こっくりうなずき
茶柱をゆびでそっとたててみた
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存在の原点について
有限性と無限性との

対立と調和が 

存在の原点にある
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カフェ �W
あれって薄っぺらいね
あれって?
彼は本屋のなかほどにある大人の雑誌にめをやっている 喫茶店の窓からは真正面になる
ひとによっちゃすごく深いもののようにいうけど
でもそういう衝動って大事なことなんでしょ?
前にそんな風に言ってたよな僕自身が
子孫繁栄のためにも確かに大事だよな
でもやっぱり奥深くはない 性に関係するもののなかで芸術に昇華するものは別として 男と
女の秘め事にそれ以上のものはない
へぇ なんかその道を極めてきたひとみたいね
えっそういう意味じゃ...いいやそうかもしれん それほど誰もが簡単に行きつく薄っぺらいものさ
なにか悟りました?
なにも得るものがないよ 積み重なっていくものがない
そういうものがあるって思っていたわけ?
あまり期待もしなかったけど 少々哲学的というか 宗教的というか 生物学的というか 
そういうような高尚なものに絡んでいくかと思っていたよ
ところが全然なかったって訳ね
むなしさが大きすぎるよ
それでも時間が経てばまたそのことが頭の中を占有するんでしょ
おっわかっているね そのとおり
結婚して子孫を残すっていうのがいわゆる本能
的遺伝子のなせるわざなんでしょうけど 人間っていろいろある動物だから 直接使命的な衝動とは別な時にもその気になるのね それがいいとか悪いとかじゃなく
芸術、学問、経済みたいなものと違って 薄っぺらいそれでいて巨大な流氷のようにときとしてやってくるってことか なんの答えの用意もなく 品性もなく 結論的終わりもなく 風俗産業におおいに貢献するのみで やっぱり周期的にこの感覚は訪れてくるんだ
注文したアイスココアの生クリームが氷のうえに乾燥したかのようにへばりついている
彼女はさきほどからむしろそちらのことの方が関心の対象になってきていた
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13.1.16 不思議な造語
チッソ倹約
楽あれば九割
一挙両毒
一件落書き
筆順強引
一刻税金
音痴個人
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おとなの時間   2001.1.15
夜も充分ふけてくると
ああおとなの時間だなと思えてくる
しっくりした渋い曲でもかかっていると
もうドラマの世界だ
たいしたこともなかったのに
走馬灯のように一日を振り返ってみる
渋い曲にふさわしい出来事も見当たらず
今日も一日平凡だったということを
単に再認識するだけのこととなる
いやいや それでよかったのだと
言い聞かせる自分がいる
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