カフェにて �Z
ごめんごめん おくれて!
N君たちは来なかったの?
いや.....

遅れてきたことへのイヤミかな
僕はデートのつもりだ
いやそれ以外思い様もない場面だ
ええ ほんと マジ??
これ 声を出して君に聞き返す勇気ないよ
おれを待ちわびてくれたんじゃなかったの
なにもそのことに触れないまま 気まずい雰囲気のなかで場面はすすむ

みんな来るって思ってたのに

彼女はさらにたたみかけた
楽しみにしていたこの二人の出会いの瞬間が 音をたてて崩れていく
なんなんだこれは.....
しかも約束の時間に遅れてきたことなんか全然関係なさそうで みんなと一緒でなかったことが本当に残念らしい
ああ 悪夢のよう
いままでの二人の間に流れていた時間はなんだったんだ
まさか お友達のひとりよって言うんじゃないだろうね
あのときの笑顔 はしゃぐ姿 内緒の話

片思い.....ずしっとその言葉が心にのしかかる

その後の食事もお茶も ほとんど茫然と...

われに戻ったのは自分のベッドに倒れこんだ時

くやしさがこみあげてくる

あんなに大事にしていた時間
あんなに心待ちにしていた時間
彼女へのプレゼントを綺麗に包んで貰っていたあのドキドキの時間

それは いったいなんだったんだよ

どこまでおれを突き落とせば気が済む?!

頬にあついものがよこぎった時
実に自分は情けない存在だとののしった
同時に 頭の中をすべて真っ白にしょうとしていた

この時の出来事について その後彼女に確かめる日は 遂に訪れなかった