振向茶屋 �U
どうした息をきらして
いそいでいるんです
このお茶はうまいぞ
そんな暇なんかないですよ
ほう そんなに時間はないか
おじさんはなにもすることがないんでしょ
ぼくは山ほどすることがあるんです
そうかいそうかいそれは本当に大変なことだね
まあでもここでひといきついていかんと
しばらくこのさき休めるところがないんでなぁ
休むつもりなんかないです はやくいかないと
ほうほう こりゃすごい勢いだ
で なにに向かっていくんだね
そんなこと考えている余裕なんてないですよ
あれもこれもいっぱいあるんです
でもそれほどがんばったら疲れてしまって
いい仕事ができんぞ
しごとなんかしませんよ
ふむ それじゃ勉強か
勉強は学校ですること 関係ないですよ
じゃ遊びにいくわけか
このぼくがそんな風に見えますか
さぁますますわからんようになったが...
とりあえずこれは山のみずがはいった竹筒じゃ
持っていきなされ
うん じゃ行くね
また駆けはじめた男子は角を曲がる際
思い出したかのように竹筒を上にかざして
笑顔をおくった
こっくりうなずき
茶柱をゆびでそっとたててみた