量子脳理論(1)-不完全性定理に目をつけたペンローズ

⚫️ゲーデルという数学者
量子脳理論を最初に唱えたのがイギリスのペンローズ、数学者であり、物理学者だ。
この理論の考え方は、論理学の「不完全性定理」や量子力学の「波束の収縮」などの理論に軽く触れる必要がある。
脳とは直接関係のない数学や物理学の話から入っていく。

先ず、「不完全性定理」は チェコ生まれの数学者ゲーデルが生み出した。
彼は浮世離れした人が多いといわれる数学者の典型で、数々のエピソードが残っている。
例えば アメリカに亡命した際に、市民権を得るに彼の地をよく知るべく、先ず、合衆国憲法を子細に検証、この過程でかの憲法の不備を見つける。「論理的にいって、合衆国憲法はファシズムを引き起こす危険性がある」というのである。彼の世間知というのは、こんなもので、アインシュタインなどの尽力でアメリカ市民権を得ることになる。
⚫️「嘘つきのパラドックス」から不完全性定理へ
しかし、こと論理になると、ゲーデルの頭脳は抜群の冴えを見せ、いわゆる「嘘つきのパラドックス」を考えついた。
「私が今話していることは嘘です」という人の言葉は、嘘なのか、本当なのか?堂々巡りになるパラドックスです。
こういう「自己言及のパラドックス」の考え方を集合論に応用した「ラッセルのパラドックス」は、数学に大きな衝撃を与えた。これによると数学には矛盾があるといい、数学者たちはみな躍起になってパラドックスを解決しようとしたが、
ラッセルのタイプ理論---リンク先です。---によって解決する。しかし、数学はすっかり信用をなくし、数学の体系に再び矛盾が出てくるのでは、と数学者は戦々恐々としていた。
ゲーデルが、これらパラドックスをより深く考察し、第一不完全性定理を1930年に発表。「いかなる算術の公理系にも、証明できない命題がある」
翌31年、第2不完全性定理を提出 今度は「数学に矛盾がなければ、数学はその無矛盾性を自分自身で証明することはできない」ということを証明した。
⭐️⭐️ 不完全性定理が量子脳理論とどう関わってくるのか?興味は尽きないところですね〜〜