2013年06月の記事


生命とは何か?その4
無生物から生物を作れるか?
2010年、アメリカの分子生物学者クレイグ・ベンター博士らは、人工的に合成されたDNAのみを遺伝情報として持つ細菌を作ることに成功した。世界初のことだが、細胞膜や細胞質などほかの構成要素は元の細菌のものを利用しており、人工的生物と呼ぶには議論の余地がある。
一方、東京大学の菅原正名誉教授らは、2011年に、DNAとそれを複製する酵素を、袋状になった脂質の膜に閉じ込めることで人工細胞を合成することに成功している。しかし、生物の細胞と全く同じというわけではなく、初期の原始的な生物に近いものである可能性があるという。
前者を「トップダウン型」と呼び、後者は「ボトムアップ型」と呼ばれるが、この方法は極めて難しいので、両者を組み合わせたようなユニークな方法で、細胞の合成に挑む研究者がいる。
東京大学の田畑和仁助教は、大腸菌をいったん分解してから、再び組み上げることで大腸菌を”復活”させようと試みている。
大腸菌の細胞膜を壊して、細胞内の成分をあらかじめ用意してあったくぼみの中にそっくり移すと、その中でも生命活動(代謝など)が起きることはすでに確認されて、このくぼみから、元の大腸菌が生まれたら、議論の余地はありますが、世界で初めて、生物でないものから、生物が生まれることになるらしい。
細胞を”生きている”状態にするために重要な要素は、細胞内にあるたんぱく質の濃度なのか、あるいは細胞膜の構造なのか、細胞を作る試行錯誤を続けることで、情報が得られていき、そうなれば、ボトムアップ型の方法で細胞を作ることも夢ではなくなるかもしれない。
更に次には、コンピューター上の生命についてみていきます。
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生命とは何か?その3
細胞に見立てた水滴のふるまいから、生命の物理的な原理を探る。
油中の水滴を人工細胞と見立てて、これに向かって、細い流路を通して別の水滴を送り込むと、水滴の一部が人工細胞に取り込まれては排出されるような動きが繰り返し起きるが、この仕組みは水や油の物理的な性質によって自発的に引き起こされる。
送り込むほうの水滴に栄養に相当する分子を入れて、送り込む頻度を変えていくと、取り込んでは排泄する現象にリズムが生じたり、消えたりする。
このように生命らしさが生じるための条件を絞り込んでいけば、細胞というシステムを動かす原理が次第に明らかになっていく。
散逸構造などの理論が登場したのは20世紀の中ごろで、生命とは何かを探求する学問もこれからが本番でしょう。
次に、無生物の部品を組み上げて生きた細胞を作れるか?ということについてみていきます。
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alanのswearほか
動画コーナーに次の二つを追加です。

alanのswearと指原莉乃の「それでも好きだよ」です。

alanのこの曲はdiamondという曲と並んで好きな曲です。

等身大の曲になっているそうです。

だから好きですねぇ。
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生命とは何か?その2
生きているとは何か?
生物を生きている状態にしているのは、元素の組み合わせ方や使い方である。
時間の経過とともに、死んだ生物はエントロピーが増大していく、つまり、形あるものが時間の経過とともに崩れていく傾向にあるが、生きている生物はエントロピーが増大しない(もしくは減少する)ように見える。
DNAの複製のように秩序だった体の構造を新しく作るということはエントロピーを減少させるということに他ならない。
生命とは何か、この問いに対して、現在の科学が出した答えの一つは、生命とは、外部とエネルギーや物質をやり取りすることで秩序だった構造(散逸構造)をつくり、維持する存在であるというものだ。
次に生命をつくる最先端研究を見ていくことにする。
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2013/6/13取り入れた音楽動画
動画コーナーに5つの音楽動画を入れる。
1、そばにいるね 青山テルマ feat.SoulJa
2、ここにいるよ SoulJa feat.青山テルマ
3、enamorao Ft. Bajo Zero Tico El Inmigrante
4、時を止めて Tiara feat.wise
5、Tell me Tell me Dance Practice Video RAINBOW

4はメインにも。5は下のほうに入れる。
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生命とは何か
生命とは何かというテーマについて雑誌Newton 2013.7の特集記事や私のHPの本のページのえん読日記で取り上げた生命とは何かという記事を基にして考察していきましょう。
「生命とは何か」という問いにおよそ70年前に量子力学の創始者ノエルヴィン・シュレーディンガーが物理学や化学によって答えを見出そうと試みられ、その後の生命科学の急速な発展につながった。
今なお多くの謎に包まれている生命、この生命と非生命の境界はどこにあるのか?生命を動かす原理とは?生命を人工的に作ることはできるのか?
物理学の視点からも迫っていく。
シュレーディンガーは、「生命とは何か」という彼の著書の中で、「生物体は負エントロピーを食べて生きている」と述べた。
乱雑さを減らすようにするというわけである。
生物のグループ分けとして、全生物の共通の祖先から、細菌、古細菌と別れ出て、真核生物のくくりで原生生物、植物、菌類、動物と別れていく。
これら生物の共通項は、周囲の「刺激に応答する」ことです。
また、生きるために「外から栄養を取る」必要があり、このために「内と外の区別がある」という特徴が共通にある。
それから、生物は「遺伝」という仕組みを持って「ふえる」という特徴がある。
これらの生物の特徴を実現させている実体が「細胞」で、地球上のすべての生物は細胞を基本単位としできている。
これにより製紙と皮膚細胞は独立した生物とはみなしがたい。なお、生物と非生物の境界については研究者の間でも議論があるようだ。
次からは生きているとは何かを考察しよう。更に生命を作る最先端研究、生命の未来を見ていこう。
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