生命とは何か?その4
無生物から生物を作れるか?
2010年、アメリカの分子生物学者クレイグ・ベンター博士らは、人工的に合成されたDNAのみを遺伝情報として持つ細菌を作ることに成功した。世界初のことだが、細胞膜や細胞質などほかの構成要素は元の細菌のものを利用しており、人工的生物と呼ぶには議論の余地がある。
一方、東京大学の菅原正名誉教授らは、2011年に、DNAとそれを複製する酵素を、袋状になった脂質の膜に閉じ込めることで人工細胞を合成することに成功している。しかし、生物の細胞と全く同じというわけではなく、初期の原始的な生物に近いものである可能性があるという。
前者を「トップダウン型」と呼び、後者は「ボトムアップ型」と呼ばれるが、この方法は極めて難しいので、両者を組み合わせたようなユニークな方法で、細胞の合成に挑む研究者がいる。
東京大学の田畑和仁助教は、大腸菌をいったん分解してから、再び組み上げることで大腸菌を”復活”させようと試みている。
大腸菌の細胞膜を壊して、細胞内の成分をあらかじめ用意してあったくぼみの中にそっくり移すと、その中でも生命活動(代謝など)が起きることはすでに確認されて、このくぼみから、元の大腸菌が生まれたら、議論の余地はありますが、世界で初めて、生物でないものから、生物が生まれることになるらしい。
細胞を”生きている”状態にするために重要な要素は、細胞内にあるたんぱく質の濃度なのか、あるいは細胞膜の構造なのか、細胞を作る試行錯誤を続けることで、情報が得られていき、そうなれば、ボトムアップ型の方法で細胞を作ることも夢ではなくなるかもしれない。
更に次には、コンピューター上の生命についてみていきます。

編集 えんさん : どこまで神の領域に近づくのでしょうね。空恐ろしいくらいです。
編集 テラマチ : 人は神の領域に どこまで近づこうとしているのか また神になろうとしているのか しかし凄い研究をしているのですね