量子脳理論(2)-量子力学の「波束の収縮」が脳の謎を解くカギ?

ペンローズはゲーデルの不完全性定理の数学に矛盾がないとは言えないことを証明したこの定理に対して、ゲーデルも指摘した数学に矛盾がないと直感的に知っているとした言動を元に、人間の脳には 記号の操作やシミュレーション、計算では汲み尽くせない能力がある点を自らの量子脳理論に取り込むのである。
この着想を具体的な理論とするのに量子力学の「波束の収縮」に目をつけた。
電子は粒子でもあり、同時に波の性質も持つが、その振る舞いを波動関数という方程式で表すことができる。ラプラスの悪魔が生きる決定論的世界が展開するはずであるが、観測すると波動関数は変化を起こし、観測側は体系に対する情報は得られるが、波動関数は 観測前より限定される。これが 「波動関数の収縮」とか「波束の収縮」とか呼ばれる。
そして、観測によって波動関数がどう収縮するかは計算では求められない。つまり 非決定的であり、観測前と観測後に客観的因果律が見つからないのである。
これを説明したモデルが上の画像であり、本文の写しは下の画像である。

この「波束の収縮」が脳の謎を解くカギになるのであろうか?面白い着想ではあると思う。


✨ 火曜日辺りに脳科学関連を不定期のレギュラーとするとしていたので、やっと実現しました。コラム・脳科学は昨年の8月以来となりました。脳の不思議な世界を理論的に量子力学を使ってみる世界を探求して参りましょう。
えんさんのテーマ研究でも より具体化した形でお届けすることも視野に入れたいですね〜〜一緒に楽しみましょう!