時間論の諸パラダイム 生物的時間論 その1
その1として 生物の時間を取り上げる。

生物は単細胞のものから多細胞へと進化した。
初期の多細胞生物が、細胞同士を連絡する立派な血管系や神経系を持っていたとは考えにくい。全体の統一のとれた行動が難しい中、細胞間の関係がベキ関数の関係になっているものが現れたとすると、立派な神経系などなくても全体の活動度を制御できるので、他のものより優位に立ち、それだけが生き残って今いる多細胞生物の祖先になった。こんなストーリーを考えれば、現存のすべての多細胞生物において3/4乗というベキ乗則の成り立つことの説明がつく。

ベキ乗則とは 動物の代謝率は(体重あたりにすると)体重の-1/4乗に比例する。(=個体あたりにすれば3/4乗に比例する)

このことから エネルギー消費率が体重の3/4乗に比例する ということに帰着する。

そして、いろいろな仮説が出てくる。
その仮説は個体性のものと群体性の動物とを区別しない。
だから、群体はサイズの生物学のモデルとなりうる。

群体は個体の集まったシステムであるので、人間社会を対象としたサイズ効果のモデルとして使えるかもしれない。
生物学を超えたシステム論の実験モデルとして、大いなる可能性を秘めている。

時間の重層性

生物特有の生きるペースがある。
これを時間として我々は感じているはずである。
それを数値化して、時間として扱えるように試みたのが 代謝時間の考え方である。
この考え方は、社会生活の時間にも適用できると 本川達雄氏は考えている。
共通時間の物差しの上で、いろいろな時間が動いているという 柔軟な時間の見方が、日常生活の上で常識になる必要があると考えているそうです。

ベキ乗に関した仮説は省略しましたが、タイトルのパラダイムの本等で調べてみたい人は、研究を深めてみてください。
要望があればできるだけ答えていきたいとは思っています。

いろいろなパラダイムをこれからも見ていきましょう。( ´∀`)bグッ!