2013 05/15 21:44
Category : コラム
電子の軌道には、“定員“があり、一つの軌道には、二つの電子までしか存在できない(パウリの排他律)。
元素ごとになぜ性質が異なるのかは、元素が異なると、電子の配置が換わることによります。
このことが量子論によってはじめて完全に解明されました。
電子の軌道を量子論に基づいて考える手法は、「量子化学」として発展しました。
量子化学に基づいたコンピュータ・シミュレーションによってさまざまな原子や分子の性質や、量子化学なしではわからなかった化学反応の仕組みが、次々に明らかになったのです。
現在では、化学工業や医薬品の開発といった分野で、なくてはならない存在となっている。
また、目に見える程度のサイズの物質、つまりマクロな物質を多数の原子の集団としてとらえ、量子論に基づいて、その性質を解き明かす物理学を「物性物理学」といいますが、絶縁体より電流を流しやすい金属ではないほどの物質が、シリコンやゲルマニウムなどの「半導体」で、その性質も、物性物理学によって解明されてきました。
半導体は、テクノロジーへの応用の観点からすると、不純物を混ぜたり、複数の種類の半導体を組み合わせたりすることで、様々な素子を生み出せることから、金属と絶縁体の中間的な物質という以上の意味を持っています。
パソコンや携帯電話などに搭載されているICも量子論の賜物だといえるでしょう。
量子論の未来として量子重力理論の候補としての「超ひも理論」があり、また、量子コンピューターの量子ビットと呼ばれる概念に基づく発展の方向性があります。
電子の重ね合わせ状態を利用した、量子コンピューターでの情報の最小単位を量子ビットと言います。
多数のこれを重ね合わせの状態にして、多数の計算を“同時進行”させることが、飛躍的な計算速度につながるだと言えます。
物理学者の知的冒険はまだまだ続くことでしょう。
元素ごとになぜ性質が異なるのかは、元素が異なると、電子の配置が換わることによります。
このことが量子論によってはじめて完全に解明されました。
電子の軌道を量子論に基づいて考える手法は、「量子化学」として発展しました。
量子化学に基づいたコンピュータ・シミュレーションによってさまざまな原子や分子の性質や、量子化学なしではわからなかった化学反応の仕組みが、次々に明らかになったのです。
現在では、化学工業や医薬品の開発といった分野で、なくてはならない存在となっている。
また、目に見える程度のサイズの物質、つまりマクロな物質を多数の原子の集団としてとらえ、量子論に基づいて、その性質を解き明かす物理学を「物性物理学」といいますが、絶縁体より電流を流しやすい金属ではないほどの物質が、シリコンやゲルマニウムなどの「半導体」で、その性質も、物性物理学によって解明されてきました。
半導体は、テクノロジーへの応用の観点からすると、不純物を混ぜたり、複数の種類の半導体を組み合わせたりすることで、様々な素子を生み出せることから、金属と絶縁体の中間的な物質という以上の意味を持っています。
パソコンや携帯電話などに搭載されているICも量子論の賜物だといえるでしょう。
量子論の未来として量子重力理論の候補としての「超ひも理論」があり、また、量子コンピューターの量子ビットと呼ばれる概念に基づく発展の方向性があります。
電子の重ね合わせ状態を利用した、量子コンピューターでの情報の最小単位を量子ビットと言います。
多数のこれを重ね合わせの状態にして、多数の計算を“同時進行”させることが、飛躍的な計算速度につながるだと言えます。
物理学者の知的冒険はまだまだ続くことでしょう。