春雨だろうか
小粒の雨がしとしと降る。一月も後二日となった。歳のせいだろうか、日に日の過ぎるのが早い。

あっという間に過ぎて行く。することが多すぎることもある。会の年度始めが一月だからでもある。

先日友人の陶芸家を訪ねた。仕事場で何やら大きな音。薪を割る音だった。

「薪窯の準備?」と聞くと、割っているのが楢の木だ。横に器が置いてあって、放し飼いの鶏が美味しそうに何やら食べている。

木の中から出た虫。多分松くい虫だと思うという。松で足りなくて雑木を食べ出した。

樹皮の近くに巣食う水揚げ部分が侵されると想像していた。さにあらず、芯の部分を自由奔放に食い荒らしている。

これではたまったものではないと虫をつまんだ。鉛筆程度の太さと長さ二センチもある白い虫だ。

畑で見る根きり虫をスマートにしたようなものである。人間社会が自然を破壊し、動植物がまず危険にさらされる。

次に人間に来るのもそう先ではないことを知った。元に戻すのにどの程度の年月を要するか。

否、元へ戻せるのだろうか。