貝塚は貝のお墓
Wikipediaの貝塚の外部リンクからの引用です。
心優しい縄文人が見えてきますね。
■7.貝塚は貝のお墓■

 他の縄文遺跡では、捕獲されたイノシシやシカ、カモシカな
どの大型動物の骨も見つかっているが、そうした動物では幼獣
の骨が極めて少ない。また、シカやイノシシの歯の萌出段階の
分析では、冬の季節にしか捕獲されていない事が分かっている。
それらが絶滅しないよう、他の食物の少ない冬に限定し、成獣
だけを捕った。そこに共に生きる自然への配慮が窺われるので
ある。[3,p88]

 昔の考古学では貝塚とは、貝の捨て場と考えられていたが、
最近では「貝のお墓」だという説が生まれた。貝は丁寧に並べ
られて、盛り土をされており、どう見てもゴミ捨て場とは見え
ない、という。

 貝がふたたび豊かな身をつけて、この世に戻ってくるように
との願いを込めて、貝の霊を丁重にあの世に送る場所が貝塚な
のである。三内丸山遺跡で見つかった土器塚も、土器をあの世
に送り返す場所であった。

 縄文人の精神の根底には、すべてのものに生命が宿り、それ
があの世とこの世を循環しているという世界観があった。これ
が基底となって、聖徳太子が仏教を受け入れた時も、「山川草
木悉皆成仏(自然のすべてのものに生命が宿る)」という思想
となり、また現代でも道具が壊れた時、「お釈迦になった(成
仏した)」と言う。縄文人の共生と循環の世界観は、日本人の
心の基層をなしているのである。[2,p24-26]