口足らず
新聞に孫娘が載って喜んでいるとき、パパに新聞を見せていないという。

今夜、帰ってから見せなさいと私が指図する。どんな夫婦だ。と呆れてしまった。

彼はきっと喜んで自分の娘を褒めるだろうにと残念だった。

二階の子供部屋に電気がついているが階下に人の気配がない。ところが門の鍵が開けてある。

幾度言って聞かせても鍵をかけるのを面倒がる。鍵が重いとかかけにくいとか弁解をするから、私の使いやすいものを渡す。

二つ持ってもまたかけない。これだけは困り者である。泥棒意や、強盗でも来ても手の打ちようがない。

能天気ではすまないだらしなさなのだろうか。行くと二階で子供だけが仲良く遊んでいた。

私の姿を見たから、帰るなという。淋しくなるのだろう。帰宅早々二人で何か買い物に出たらしい。

夜の9時近く外出するのに施錠なしは許せない。本気で叱る。