孫の発表会
近くのN流の日舞の発表会である。昨年夏から月に二回の練習でここまで来た。

全くのボランティアだ。若い親達は日本舞踊を習わせるとはどんなことか知らない。

お披露目をしようものなら、着物からお礼まで大変な費用をかけるのが今までの慣わしである。

娘夫婦では無理なことなのだが、何の相談もなく習うと聞いて驚いた。

通わせて見て、誰でも始められる普及活動であることが分った。学校から帰ると間もなく日舞、終わるや否や塾へ繰るを走らす。

それが半年井所になるのだから、孫娘の頑張りを褒めてやりたい。

午後1時からなのだが、朝から大変である。今日になって先生に着せてもらうと言う話が、我々に着せて欲しいと言ってくる。

大騒動の末に出かけて間もなく電話が入る。仕事をしていて形体は手元に無かった。

一般電話に来て、「携帯に電話してのにどうして出てくれないの」である。

何を慌てているか聞くと、会場があやふやだと言う。昨日も今日も分りにくいところだから、確認をせよと言っておいた。

旧何号線を走って、・・4丁目の信号の次のバス停の右側にあると教える。

夫婦ともに他力本願なのだが、娘が婿殿に説明していないからである。カーナビに電話か住所か目的会場名を打ちこめば表示されるはず。

宝の持ち腐れである。30分後我々も出かける。安全な街づくり運動で警察署と度々会合を持った会場だけに良く知っていた。懐かしいところでもある。

上手下手は別として、皆良くやったし、可愛い子達だった。

男の子二人の白虎隊の舞は、私と家内の涙を誘った。郷里の詩吟で踊るのだが、切腹場面に胸を詰まらせた。

私が生まれた県であるから尚更である。かつては詩吟を口にしたこともあった。

会津の白虎隊だけが有名だが、二本松城でも同じことが起きたのはあまり知られていない。

国を二分して敵味方に分かれた悲劇である。

毎朝我が家を兄妹で通学する行儀の良い子供達だ。他にも父兄が顔見知りは楽しい発表会でもあった。

孫娘の良い記念になり、親と本人の相談結果、今後続けるかどうか決めることになる。

なるべく口出しをしないで独立させようと思うが、一緒に住んでいると親が甘える。