都会の近所付き合い
私の郷里だと大変である。勤め人でも、近所に葬式があると3日休むのは当たり前である。公然と勤務先が民間、公務員の別はない。

そして、お世話、即ちお手伝いを主婦達がする。その家ではなく、火葬から帰ると組内の家に部屋を用意して待つ。食事が用意されている。

喪主も親戚もこのお世話になる。
場合によっては初七日までをここでするのである。近所が親戚なのである。

そして、初七日を三日目に行い、今度は喪主がお世話になった方々をお招きし、割烹前掛け他、お手伝いに使用したものを新しくお返しするのである。

今の都会では考えられないことなのであるが、それも東北の大都市である。

日本の北から南まで習慣は様々である。関西、特に、縁のあった滋賀県の人たちはこれも大変である。香典の金額か違う。受付には親戚の人間が必ず加わり、香典袋に糸を通してまとめる。

間違いを防ぐ意味か、他人には任せられないという意味なのか、良いことではあるが、何とわれわれには理解できないこともある。

ただ、喜びや悲しみごとを分かち合うことでは皆同じであり、気が動転している家族に代わって、お世話をする。

会社関係などでは葬儀委員長といって式を取り仕切ることから来ているのだが、名目だけで、葬儀所が発展して、全ての面度を見る職業ができて、便利である。

自宅を使わず、お寺も使わずというのが多くなっている。冠婚葬祭互助会などという便利な会がそれぞれの会場を提供する職業が存在する。

合理的ではあるが、人と人との付き合いが疎になり、集合住宅においては、隣の人を知らないなどと言うことが罷り通っている時代である。