夕方早々帰宅の婿殿
風呂から上がった孫娘が飛んできた。「パパ帰って来たの」「風邪といっている」

居間に横になっている彼は赤い顔。熱があると判断。額に手を当てると「そんなことしないで」「風邪なんだから寝ていれば治るから」と娘。

10日の入院の間、仕事と帰ると病院での疲れが風邪を呼んだと私は見た。

薄情な娘に「洗物はさせるな」「何かあれば夜中でも起こしなさい」と言って戻る。

夕方から幼稚園の疲れからか下の孫がこちらへ来て寝てしまった。

目を覚ましたから、家内と風呂へ入れと言うと、私と入ると言う。出たばかりだが、再度、入浴。

頭を洗うとき両親はキャップをしないと洗えないという。「ばあばは頭が洗えない」
「じいじと入る」という。

耳を押さえて、シャワーで前後に洗い流す。わたしの膝を椅子代わりにして横にして流す。

姉も長年そうしてきたから、弟も同様である。

出るとこちらで夕食もと言うので、「パパが返って来たから」「お熱だから、お姉ちゃんと看病しなさい」と言って帰す。

「分かった。水枕で冷やすんだよね」と言って急いで帰る。

姉はパパの横で甲斐甲斐しく看病の姿勢。ママが薄情で駄目な分、子供たちが優しい。

A型だけは子供たちも罹っていないから、いささか心配だが、兎に角、パパの休養に専念させた。

今の若い女房はこんなのだろうかと、あきれてしまう。最後には「私の家庭内のことに口出ししないで」と来る。

半月前まで、入院と手術で皆に苦労かけたことは忘れているようだ。

親戚の嫁も似たような女がいると聞き、世の中が狂ったのかとも思った。