子供の質問攻め
どうして。あれは何。貪欲に覚えようとする子供の脳である。幼稚園頃までが特に多い。

昨日は全員に予定が詰まっていた。私は東京から講演会の評論家。家内は旅、婿は仕事である。娘のクラスメートの父君の葬式二子供達は名古屋の従姉妹の家に久々に遊びに
連れて行った。

出かける前が質問だらけ。最初は孫娘が香典袋を持ってきて「ママが書いてといってる」ともってきた。

硯に水を入れ、墨をすり始め、筆を選ぶ。怪訝そうに質問第一号。「ママはどうして自分で書けないの」「大学を出てるんでしょう」

「どうしてかな。じいじが上手だからかな」「墨汁でなくてどうして墨するの」

「お葬式などには、薄い色の墨で書くんだよ」「どうして」
「濃い色だと元気に見えるよね。淋しい。悲しいことを色で表すのかな」

「中の金額をいくらにするのかママに聞きなさい」と封筒を渡すが、そのままである。

しばらくすると幼稚園の弟が「ママお数珠を貸してと言ってる」仏前の私の数珠を持たせる。

「どうしてママは自分のお数珠使わないの」と聞いてくる。
ママの協会と言わせる宗派だが、新興宗教は長い何重もの数珠を使う。新興宗教は他の仏教には通用しないことがあるからだ。

「じいじの立派だから借りたいのかもね」と返事に困って答えた。

昼過ぎに予定を持っている私だから、彼らをJRの駅まで送らぬと始まらない。

車中今度は娘が「香典の封筒に金額書くの」という。「だからSに聞かせただろう」「後でボールペンで書いとく」

何のための筆書きだと言いたいがどうでも良い。「今から喪服買わないと・・」「どうして」

洋服にカビが付いていたという。大きなクローゼットを着替えする広さに二つも作ったのだが・・こちらが聞きたい。

「このスカート光るのは駄目でしょう」「折柄だから問題ない」「兎に角、ワンピース買ってくる」

私と孫達は駐車場で待つ間に至急買って来ると店内に。30分経過。私より孫達がイラついた。

娘が戻ると「何分かかっているのママ」孫娘と弟。私が言うことを孫達が代弁。

「数珠借りたの光っているけど」と娘。光物がいけないと教えた一部だけ覚えていた。

「派手な装飾を避ける。例えば金銀、ダイヤのネックレスなど」「真珠はよしとするが真っ白はどうかな、黒真珠系統だろうね」

黒の靴も新調しているから時間がかかったのだが、黙認した。

講演前にT氏に会いたかったのは無理となった。昼食を食べる時間すらなくなってしまった。

それも知って孫達が娘のゆっくりを窘めたのであった。孫達の質問は名詞を覚える「あれは何」から「どうして・・」が増えた。

前記のT氏には講演後舞台裏で10年振りに会えた「久しぶり、お元気で」と互いに両手で握手。

市の役員達も私の友人とは知らず驚いていた。