白い卵
昔は卵は白いものと誰もが思っていた。特殊な地鶏の赤は有ったが稀だった。

先日、あるスーパーへ買い物に出かけて、驚いた。火曜特売と言う、よく聞く催しであった。

入り口から奥まで長蛇の列である。その日の目玉に販売される卵10個入り88円の行列だった。

私の子供時代、卵は貴重品で、病気見舞いの定番だった。一つの卵を分け合って食べた。

黄身が多い、白身が多いと競って食べたのである。飽食の時代に生きている世代には、想像すら難しいことかも知れない。

ものも使い捨て時代。食物も食べ残し時代である。

精神的な堕落とさえ思うのは、異常なのだろうか。ごみ屋敷、

片付けのできない主婦、こんな言葉は今までになかった言葉だった。

果たして、こんなものあまり時代に生まれた人間は幸せなのだろうかとね考えてしまうのである。

現在、私は卵を買うときは、有精卵か赤球卵を選んでいる。

一個88円の卵を産む鶏は白のレグホンが疲れ果てて、とさかの色は薄紫の、四角の檻で生まされいる姿を想像してしまうからである。

病気にならないために、えさには抗生物質がふんだんに使われている。

それを食べる人間は、万年かぜ症状のアレルギーなのではないだろうか。