離別
九谷焼の人間国宝徳田八十吉氏が昨日他界した。感質性肺炎だという。肺繊維症を患っていたから、このときが来るとは予測されていた。しかし、二三年前は回復を宣言するほどの元気と活躍に喜んでいた。
時々、テレビに映ることもあったが、NHK衛星のハイビジョンで人間国宝シリーズが放映されたときは、案内を下さった。旧式のポンコツテレビの我が家では観ることもではずわ終ったのだが、最も充実したときだったのかもしれない。
10年以上前に同世代の友人に同じ病の人がいて、早々と他界してしまった。
それから見れば、一時回復と言う、良い医師の助力があったと思っていた。
会場が庶民的なSCである私が主催する展覧会に毎年、特別出品してくれていた。人間国宝と気取るわけでもない、盆栽で結ばれた同好の志としての付き合いが二十余年続いてきた。
主催したチャリティ展にも出品してくれた。
心で結ばれた人間関係の親交である。彼の彼が開発した独特の技法は彼一代で終るであろう。
今年の出展作品が手元にあり、昨夜からじっくり対面して、彼を偲んでいる。