楢山節考
毎日公園のの落ち葉を掃除するわれわれだが、向え側にできたコーポの連中は不参加である。

注意してさせることも知っているが、強制する気にもなれず。東隣さんとわれわれで沢山落ちる葉を掃き集める。

今朝は西隣の93才のおばあちゃんまで出てきた。われわれがするからと家内が送り届ける。

空腹だというお年寄りに、ロールキャベツを持っていった。喜んで「美味しい」と食べてくれた。

先月までは、週に一度自宅の買い物の際、おばああちゃんの買い物もしてあげていた。

福祉の介護の人が市から来るようになったから、無用心を理由に息子夫婦が通帳からカードまで持ち去ったという。

年に何度か来る東京の娘さんにも財産を持っていかれるのを心配しているらしい。

家内に空財布を見せて、涙していたと聞く。他人のわれわれが口出しできるものでもなし、「反楢山節考」だなと傍観する以外術を知らず。

困窮の楢山節考に対して、元官僚で恩給と蓄財が多すぎる悩みである。私の両親と同い年だけに、他人事と思えず接してきた。

福祉が仇のお隣の家庭の事情である。