仕事始め
 今日から仕事始めである。が、めったにない半ドン、昼飯を食ってのんびりしている。

 あと一ヵ月半足らずで確定申告の時期である。最近の税制は変動が多くて、ずいぶんと面倒なことが多い。気をつけてやらないと、よけいなものまでとられてしまう。お上は取るほうは問答無用で差っ引くが、もらう側には面倒な申請をしないと払ってくれない。

 来年からは配偶者特別控除がなくなる。今年限りの優遇税制である。だのに、うっかりとぼくは大きなミスを犯してしまった。今年度の税制から適用される株式の申告分離課税の一本化において、妻の株式の特定口座で、「源泉徴収をしない」方を選んでいたのだ。そのため、ぼくが運用して出た利益が、妻の所得に計上され、妻は扶養家族に加えられないことになってしまった。「源泉徴収をする」を選択しておれば、いくら利益が上がろうと、ぼくの扶養家族でいられた。損が出たときだけ申告に行って、利益と相殺してもらえばよかったというのに。まさかのミスである。塾のほうで赤字をできるだけ出してくれといってはいるものの、徒労に終わりそうな気がする。国家に貢献したと納税の多き分はあきらめよう。

 世の中が不安定なとき、逆の発想で物事を考えてみよう。銀行にお金を預けることは、0.0数パーセントの金利で銀行にお金を貸していると同じことだ。来年4月より、ペイオフが開始される。富める層ほど預ける先を厳選するだろう。踏み倒されそうなやばい金融機関に大金を預けられないからだ。

 銀行は優良法人には1%前後で短期貸し出しをする。が、無担保な個人には5%でも融資をしてくれない。たとえば「モビット」のようなサラ金まがいの部所を作って、即日審査で通れば、20%ほどの暴利をとって貸してくれはする。国民の税金で救済を受けた大手銀行が、こんなふうにして優良企業ぶった、したり顔をすることに腹立ちを覚えることがよくある。

 不良債権を未だに片付けられず、だめなゼネコンや不動産、流通や商社の債権放棄を継続している。いつ、すべてが終息を見るのだろうか?

 銀行がだめなら、郵便局や県や国が、個人に常識的な金利で金を貸してくれるだろうか? 否である。国民の多くは返してもらえる保証のない場所に自分の財産をわずかな金利で預け、苦しいとき、暴利を貪る消費者金融やカードローンを利用させられている。国債が、国の国民への借金ということは徐々に浸透しつつある。国民は銀行よりは国を信頼している。だから、国債の意味を知るひとでも国債を買う。

 が、わかっておいてほしい。銀行でも郵便局でも農協でもどこでも、今あなたが自分の虎の子のお金をそこへ預けているのではなく、貸しているのだということを。金融機関は融資する先を選別する。それと同じように、あなたもまた、貸してやる金融機関を選別するときにきていることを。

 また、ただ預けるだけならサービスのよい大手証券会社をお勧めする。MRF(マネー・リザーブ・ファンド)にしておけば、銀行の普通預金よりは利息はましだし、何よりペイオフとは無縁である。万が一証券会社が倒産してもMRFなら大丈夫。口座開設して入金しておけば、カードを発行してくれて、ATMで全国の同一証券会社や郵便局で出金できるから不便さはない。振り込み手数料は相手持ちだし、ネットの口座を加えると、ログインして自分の銀行口座への振り込みも自由だ。また、ネット上で最新の経済ニュースを見ることができる。銀行では経済の勉強はできないが、証券会社だとそれができる。が、わからないものを勧められて、損をしても、やっぱりそれは自己責任だから、わからないことははっきりと断ることである。イエスとノーがはっきりと言えない人は、絶対に成功をしないし、過ちにまきこまれやすい。また、口座開設だけなら全くお金はかからないし、当人が住民票のある成人であるなら拒否されることもない。