R18
 一昨日から突然、携帯にアダルト系出会いメールが入りだした。ときどきEメールにえぐいのが入ることがあるが、それは多くても週に一、ニ度のことで、削除すればおしまいだった。たまには「ENTER」したこともある。すべては日本国の法律に違反したものばかり、公安当局は何をやっているんだろうかと、お上の取締りのていたらくにはあきれはてた。あえてカマトトぶったひとにお知らせする。アダルトサイトをどんなものかご覧になりたいかたは、ここのトップページのGoogle検索でアダルトとか出会いとかセックスとでも打って、出てきたものを適当にチェックすればよい。まあ、呆れかえるほどの点滅に辟易されるだろう。あれは卑猥というものを通り越して、たとえようもないエログロだ。

 今回の携帯のR18は強烈だった。やたら着メロの鳴ること鳴ること、多いときでは一時間に10通ほども入ってきた。やかましいのなんのって、小豆だとか金だとかの金融先物業者ほどのしつこさで、節度節操もなく無遠慮きわまりない。で、あとわずかでテトリスの最高点が記録できようとしていたとき、まちがいなく余裕で息子の記録を抜けるところでは腹が立った。携帯でのゲームは着信があった時点でご破算になる。かのひとからのメールなら、うれしさと相殺して記録更新は諦められる。が、出会いサイトからのおふざけでは堪忍袋の緒が切れた。ゲームでは息子に負けっぱなし、あんな絶好調は初めてだったのに、再度、再々度と挑戦しなおしてみても、指がくたびれるばかりで、肩もひどくこってきた。

 で、昨夜携帯メールのアドレスの変更をした。そして、アドレス帳にあるかたに変更の連絡をした。「R18」という書き出しでメールを受け取った友人たちは、思わず削除を選択しようとして、どうにか思いとどまってくれたようである。

 メールアドレスの変更は二度目だ。前回はここのプロフィールに載せていたため、出会いサイトにキャッチされたのだと思っていた。でも、今回はごくごく一部のかたにしか知らせていなかった。いわゆるメルトモ、友人、家族・・・。ちょっと天然のおばさんがいて、「yoursongは有名な歌だから狙われるのでしょうね」、なんてまたもやピンボケの忠告を受けたのだが、ドコモで第一希望でアドレスが通るということは、全国で唯一無二のアドレスだということをわかってらっしゃらない。k- をつけた時点で有名な歌は意味をなさなくなる。忠告は「まるっきり意味不明な言葉をアドレスにしたら?」とつづき、光のような速さで動くデジタルの時代を全く理解できていない。前のアドレス「k-yoursong@docomo.ne.jp」もいま適当にいれた「hoky15ky-56ou_lop@docomo.ne.jp」も実際のところ全然変わりはないのである。問題はどこから漏れたか、どのような交信中に遺漏したかということ。ハッカーされたかということ。

 奇しくも石川君がいたずらメールのことを不可思議そうに書いていた。モバイル関係に詳しい石川君が、「何でだろう?」と訝るくらいだから、ぼくのほうではどうしようもない。NTTドコモに文句いったところで、アドレスの変更をとにべもなくすまされるので、世界に100台しかないパソコンを持つ同志社大学工学部、知識工学科大学院の研究室へ問い合わせてみるつもりだ。

 実のところ、以前にも書いたと思うが、着メロ音には五年生の息子が興味津々なのである。ちょっとませてきて、友達どおしの話題でもあり、よくわからないまでも、どうも大人の世界を覗きこみたい心境のようだ。あんまり着メロ音が鳴りつづけるとやかましいし、痛くもない腹を探られかねない。「またメールがきてるよ」なんて子供にいわれるのはうれしくない。ときどき胸キュンのメールがみなさんもベストだろう。ちなみに、息子は夜十時に寝るからそれ以降はご遠慮なく。「着信音をオフにすればいいのに・・・」、そんなメールもいただいた。

 二日間のメールは、削除してしまったからここに貼りつけることはできないが、どれもこれも低俗で似たようなものだった。ひっかけだましのインチキ商売、近頃の世のエロ事氏たちは、電波で全国を股に掛けている。いつの時代でも男というものは色に弱いものだ。官能に飢えている。本能に抗えない存在だ。そして、近頃のご時世は、女が割り切って性の商売を買って出る。金のためならえんやこらさっさ、女の操なんて痛むもんでも減るもんでもあるまいし、てなふうに。趣味と実益を兼ねている女性だっているのだろう。遠い昔、北国から売られてきた吉原遊女哀し。

 エイズが怖くないんだろうかといつも思う。淋病や梅毒ならペニシリンで治っていた。が、エイズは不治の病だ。性行為で感染する。子供を産むことに極めてリスクを伴う。子供を産んで初めて、自分たちがエイズ感染者だとわかった若者夫婦がいる。ぼくは息子が大学へ行くとき、バッグの中にエイズ教本とコンドーム二ダースを忍ばせてやったものだ。年々エイズ患者は増え、地球規模の大問題となっている。

 いかに不況といえど、セックス産業だけは不況を知らない。元大手スーパー社長、N氏がいみじくもいったことがある。セックス産業ほどにもうかる商売はない。これほど人間の欲望を満たすビジネスはないからだ。壮青年期男子の性欲は、食べることに匹敵するほど貪欲だと。

 スポーツ新聞、三流週刊誌、インターネットなどでは、売春広告に溢れかえっている。当初は都会に集中していたものだが、今では地方都市までへも進出している。辺鄙な田舎以外ででは、ちょいと電話をかければ女性が手当てできるようになった。見ばえや料金が宣伝文句のとおりか、その女性が健康面やプライバシーで安全かどうか、そのほどは遊んでみなくてはわからない。日本人が世界のメディアにエコノミックアニマルと揶揄されていたころ、日本人は地球の裏の果てまでも売春ツアーをしていると批判されたものだ。先日の中国での売春ツアーも然り、とにもかくにも売春王国日本は永遠に不滅である。また、日本国の法にR18はあってないものであり、国民には全くのナンセンスになっている。ああ、あほらし!