片思い
いつでも会えるようになると足が遠のきはじめる。
好きだといわれればいわれるほど返す言葉に窮するようになる。

たぶん、歯がゆさ、もどかしさ、やるせなさを感じたあのときの自分は、こんなふうに思われていたんだろう。初めは片思いではなく、あとから片思いがやってくると、とても切なく苦しい。失恋はしたくはないし、させたくもない。男と女は、かくある如きには、なかなか持続できない。遊びは簡単で、恋を続けることはとても難しい。そして、ピュアな片思いなど絶対にできなくなった。それは思春期のころの名残り雪である。