IPO
 IPO、新規公開株が人気である。利回りのほとんどない預金金利、はずれて当たりまえの宝くじやTOTOではなく、現実的にキャピタルゲイン(株式を売った利益)が狙えるものとして、株式の初心者が新規公開株のBB、ブック・ビルディング(需要調査)に参加してきている。前もって幹事証券会社を調べ、ことごとく口座を作り、抽選枠に参加しているのである。

 ネットバブル崩壊の教訓として、売買単位が抑えられ、利益供与を防ぐため、証券取引審議会および金融監督庁の指導により、一般の個人投資家にも参加できるように、各証券会社に抽選枠が設けられた。証券会社はその指導のもと、自社ルールによる抽選枠パーセンテージの違いこそあれ、最低売買単位での抽選を行っている。

 今年は特別にIPOのパフォーマンスがよい。概してIPO取得時の単価は5〜50万円ほどで、銘柄によって上下の差はあるものの上場初日だけで4倍を超える初値をつけるのもあった。6月12日に上場した住友電工子会社のネットマークスの公募価格は10万円で、40万円の初値がついたのだった。また、タブレットで世界シェアNO1のワコムは、公募39万円に対して2ヵ月後に260万円まで上昇を見せた。

 まずIPOが取得できればその90パーセントは勝てる。そして、その50パーセントは1.3〜4.0倍ほどのキャピタルゲインを期待できる。負ける可能性がある10パーセント足らずは、初日に売ればあまり損がない。そのことが徐々に口コミやネットサイトで認識されはじめて今日に至った。少々IPOバブルと言えなくもないけれども。

 口座を作るのにお金は要らない。ネット証券以外はIPOの申し込み、BB参加にお金は要らない。当選の連絡ののち、購入の意思確認を経て、入金を行えばいいのである。もちろん、クーリング・オフ、キャンセルも可能で、最終的判断は市場の動向、自身の懐具合で決めればいいのである。断ることに遠慮はいらない。

 元来、リスクを張り、手数料を十二分に払って取引をする顧客へのご褒美がIPOだった。リスクを張らず、手数料も払わず、参加できるIPOのブック・ビルディング、めったにしか当たらないけど、宝くじよりや競馬よりはもうかる確率がずっと高い。

 老婆心ながら申し上げておく。昨今、IPO乞食のような人が増えていることは事実である。抽選枠は限られているから、当たらない確率のほうが、当たる確率よりずっと高い。幾度となくはずれても「インチキだ、はずればかりだろう、野村のバカ、大和のアホ、日興のクソッタレ!」などとヤフー掲示板に書かないことである。みっともないことこのうえない。金の亡者みたいで情けなくなるのである。1年に1〜3度当選し、10〜30万円ばかりもうかって、ワクワクドキドキできれば十分なのである。もちろん、50万円前後の資金でである。

 参考に以下のサイトをごらんあれ。

 IPOストックボード

 IPOデーター