失われたときを求めて
 またきのうからマルセル・プルーストのこの作品が引っかかってきた。去年「カラマゾフの兄弟」をようやく読破し、世界に名だたる長編を読むことはこれでおしまいと思っていた。ようやく楽しみで本を読めるようになっってきた自分が、偉大な重厚な本物の文学を目の当たりにしたとき、いつも怖気づき、体力を消耗してしまうことに、また気がついた。

 今年の狭き門は「失われたときを求めて」となった。これを読破せねば、また僕の読書は自由なものとならない。学生時代からの引っかかりの最後の残骸は、いみじくも失われたときとなってしまった。「スワンの恋」までで力尽きねばよいのだが・・・・・。