川の流れ
 いつも正午ごろ川の流れを見ている。川の流れる音を聞いている。川の流れは単調で、とりわけ天候が穏やかな日には、海の波のように抑揚がない。流れの音は聞き取れなくて言葉にできない。

 いつものカモの群れのそばへ白鷺が下りてきて、また別な季節鳥と戯れている。町が標榜する清流というほどではないが、歩きながらに聴く物静かな調べは、自分の一日を和めてくれてもいる。