hyacinthus orientalis  
    ヒヤシンス (ユリ科)

 
 ヒヤシンスは、早春に太い花茎を出し、甘い芳香をもった、六枚の花被片からなる小花を、総状に多数つける。開花期が長く、寒さにも強いので花壇植えにも適する。また、鉢植えや水栽培にして室内で楽しむことができるので、変わらない人気をもっている。

 属名のヒアキントゥスは、ギリシャ神話のアポロンに愛された美少年ヒアキントゥスに由来したものである。ある日、二人が円盤投げに興じていたとき、西風の神ゼピュロスがこれをねたみ、アポロンの投げた円盤を、風でヒアキントゥスの頭に打ちつけて殺してしまう。その頭から流れた血の中から咲き出たのが、このヒアシンスだったという。


 ヒアシンスの球根は大きい。水さえあれば、十分に花を咲かせるだけの養分を持っている。ヒアシンスと訊けば、小学生の頃の水栽培を思い出す。透明な容器の中に根がいっぱいにはり、教室の南の窓際で色とりどりの花が咲いていたことを思い出す。

 今日、この部屋の窓際で、三年生の二男が栽培している、ピンクのヒヤシンスが花を咲かせた。学校から帰ってきたとき、それを見つけた子供の笑顔がとてもかわいかった。