Tulipa gesneriana  (ユリ科)
 左のチューリップは、晩咲きグループのひとつで、コテージ系のビリディフローラという。淡黄色で花被片の中筋に緑が入る珍しい品種だ。

 世界中で最もたくさん栽培され、愛されている花といえばチューリップだろう。チューリップの発祥の地はトルコで、16世紀にはすでに多くの品種が作られ愛好されていたという。

 チューリップがトルコからヨーロッパへ紹介されるようになったのは、16世紀になってからであるが、アラブ諸国ではそれ以前から栽培されていた。チューリップをトルコからヨーロッパに紹介したのは、神聖ローマ帝国皇帝フェルナンド一世の大使としてトルコに派遣されたブスベックである。

 彼は植物学者でもあって、球根や種子をウィーンに持ち帰り、有名な園芸家クルシウスに送った。クルシウスはウィーンの王室菜園の管理官であったが、このほかにも多くの品種のチューリップの導入を図り、1593年にオランダのライデン大学の植物学教授に迎えられてからは、地元の農家に栽培させてその普及に努めた。今日のオランダが、チューリップの大産地になったのは彼の功績であった。

 その後、今日に至るまで、ヨーロッパを中心に数々の品種改良が行なわれ、現在では14グループ、15系統に分類されている。チューリップの品種は、古いものを合わせると、約8000品種もあるといわれているが、最近のオランダで出版されたリストによると、約2500品種が挙げられている。

 みなさんはチューリップが種子から育つことをご存知だろうか? 種子が採れてこそ、交配が可能なのである。いろいろな色と品種、それらを交配して採れた種を育てて、数年ののち球根が育ち、新たな花が咲いてくる。
 花が散ったのち、花弁のあとに実のようなものがなっているのに気づいたことはないだろうか。あの実のなかには、およそ300の小さな種が入っている。秋にその種をまくと芽が出てくるが、球根が育つまでかなりの日数を要する。ありきたりのガーデニングでは難しいが、種からチューリップを咲かせることにチャレンジしてみるのも、なかなかの楽しみだと思うのだが・・・・・・・。

 私はチューリップにおいては、まだその栽培を一度もやったことがない。その方法でシクラメンとグラジオラスを咲かせたことはあるのだが。日本は夏が暑いので、ウィルスに汚染されやすい。素人ではウィルスの判断はできないから、ウィルスのないチューリップの種を購入しようと思っている。うまく咲かすことができたなら、いつかこの場で紹介しようとも思っている。